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2008年08月30日

ヤマトイワナの見分け方

先日の木曾釣行で、思ったことです

イワナが釣れたSAGE愛好会さん
「ねぇ、Kenさんこれってヤマトかな?」
と聞かれました
6月にTOMOと二人で行った時にも聞かれました
そして5月に大井川に行った時も、地元のテンカラ師としさんにも
「ヤマトイワナは食べちゃいけないのは、よく判る。そうしたいけど区別が分からない」こう言っていました

この3人、私より渓流暦が長い結構なベテラン、
でもヤマトイワナとニッコウイワナの区別が良く判らないそうです
彼らですらこうなのだから、区別の仕方を知らない渓流釣師の方も多いのではないかと・・・?

常々このブログで、ヤマトイワナが絶滅の危機に瀕していること、仮にキャッチアンドイート派の釣師さんでも、ヤマトイワナはリリースして欲しい・・・
などと言っていましたが、放流のニッコウイワナと区別が出来なければ、保護のしようが無いですよね?
(餌釣師さんに「全部リリースしろ」などと不遜なことは言えませんしね♪)
ヤマトイワナの見分け方
そんな訳で自分なりにこの2亜種のイワナの区別の仕方を紹介しておきたいと思います
なんせ浅い知識です・・・(;^^A
補足・間違い等が有れば、ドシドシ指摘して頂けるとありがたいです!!

ヤマトイワナ(Y型)とニッコウイワナ(N型)を区別するのに最も注目するべきは「背中」
ヤマトイワナの見分け方ヤマトイワナの見分け方
この2匹を見比べてください、天竜川水系の同じ支流で釣り上げたY型とN型です
N型の背中には、白点が広がっているのに対して
Y型の背中には、「白点が全くありません」

ヤマトイワナの見分け方ヤマトイワナの見分け方
ついでに側面も見比べてみます
Y型にも側線周りに薄く白点が有るものも居ます、朱点は無いようにも見えますが、薄いだけで存在しています(これは、この水系のヤマトイワナの特徴と思われます。一般的な特徴とは違いますよ)
他にパーマークが六角形の格子状になっており、特徴的ですが
これらの側面の特徴は、支流ごとの個体差を区分するのには有効ですが、N型との区別の決定的な要素にはなりません
私が見た、いくつかのHPやブログでは、このパーマークや朱点の特徴でY型を区別しているものもありましたが・・・

もう一つ、こちらも見てください
ヤマトイワナの見分け方ヤマトイワナの見分け方ヤマトイワナの見分け方
先ほどとは打って変わって、黒っぽいイワナです
残念ながら水系はそれぞれ違いますが・・・(;^^A
(Y型:木曾川水系、YN型:釜無川水系、N型:シャロムの森)
で、注目して頂きたいのは中央の写真、ヤマト・ニッコウの混血(YN型)
背中の頭側には白点がなく、尾鰭側には白点があります

ヤマトの血が濃いほど背中の白点は少なく、
ニッコウの血が濃いほど背中の白点は多くなると思います

イワナは各河川ごとに、場所によっては各支流ごとに異なる特徴を持つことがありまして
これこそがイワナの魅力ですが、分類を難しくしている原因でもあります
しかし、概ねヤマトとニッコウの区別は背中を見れば判別可能と思います
ヤマトイワナの見分け方
そんな訳で、もしもヤマトイワナを釣り上げて記念写真を撮る際には
格好良い写真やニコパチと共に、
背中がハッキリと判る写真を撮っておくと良いでしょう!
確かにヤマトイワナである証拠になりますよ♪

ヤマトイワナの基本的な生息区分は
相模川から西、紀伊半島までの太平洋側に流入している河川の中上流~源流域・・・となっておりますが、知っての通り、N型の人為的な放流により混血が進み、ついにはY型の存在が確認されなくなってしまった河川もあるようです・・・
ヤマトイワナの見分け方
先ほどの写真YN型を釣り上げた釜無川水系、ここも本来はヤマトイワナの生息域でしたが
ニッコウイワナの放流によって、今では・・・
随分と探索をしていますが、未だに純血のヤマトイワナを目撃できていません

このブログをご覧の皆さん!
幸いココには、FFM以外にも、餌釣師さんや登山・キャンパーの方なども訪れてくれています
源流域で、イワナを釣る方もいらっしゃるかと思います
私は、全てのイワナをキャッチアンドリリースにしてください、などと言うつもりはありません
絶滅の危機にある「ヤマトイワナ」と言う魚が居ることを知って欲しいのです
そして、上記の特徴のある魚が釣れたら・・・どうか優しくリリースしてあげてください
大丈夫、おかずに困ることは滅多にありませんよ
幸か不幸かヤマトイワナのみの生息域・・・極々僅かしか存在していませんから(悲)

Kawatombo Ken

追記)
今回は話が複雑になるので、河川争奪によるネイティブのYN型や、日本海側のY型などには触れていません(;^^A
また、今回の記事に使用した写真に写っているイワナは、YN型を除いて極力ネイティブのものを使おうと思いましたが・・・
「これぞネイティブ!」と断言できるニッコウイワナの写真がほとんどないことに気づきました
(シャロムの森源流部で釣り上げたイワナくらいです・・・)
ヤマトイワナの場合、特徴的な形態があるため『居なくなった事に気づく』ことが出来ますが、
ニッコウイワナの場合、『気づかないうちに全てが放流物とその子孫』なんてことになってしまうのではないかと・・・
ネイティブのニッコウイワナ、実はヤマトイワナ以上の危機に晒されているのかもしれません・・・
(ネイティブの解釈については、この記事及びコメントを参照ください「どこまでがネイティブなのか?」

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この記事へのコメント
こんばんわ
私はまだヤマトとニッコウの区別が今一はっきりしません
鈴鹿山系のイワナはヤマトだと思うのですが信州の
ヤマトととは違う様です。
こちらのイワナはネイティブでも背中に薄めで小さめの
白い点が有ります。

これほどニッコウイワナが広がると確かにネイティブのニッコウの
存在が微妙になって来ますね。

私が行く谷ではアマゴさえ混沌状態です。
Posted by おいかわ at 2008年08月30日 02:01
ふむふむ、なるほど。勉強になりました。
でも、私的には、名前より、それぞれの存在自体がうれしいです。
種の保存のための識別用に名称を正しく認識する必要はありますね。
Posted by jbopperjbopper at 2008年08月30日 18:14
こんばんは。

勉強になります♪

>N型の人為的な放流により混血が進み、ついにはY型の存在が確認されなくなってしまった河川

紀伊半島ですね。
キリクチなる種が存在する渓もありますが、完全ネイティブかどうかは・・・。
他の地域から同種を移植したという話もあるけれど、やはり山の荒廃とニッコウの放流が原因でしょう。
Posted by みかん at 2008年08月30日 20:57
こんばんは!
勉強になりました。
そしていつかヤマトを釣りたいと思う自分と、
そっとしておきたいと思う自分もいます。
FFMとしては複雑だなぁ。
Posted by まつやん at 2008年08月30日 21:50
おいかわさん、こんばんは!

そうですか、鈴鹿山系のイワナもヤマトですか!!
信州のヤマト・・・と言うより、川ごとに微妙に表情が違うんでしょうね♪

人から聞いた話で恐縮ですが(;^^A
ヤマトとニッコウの区分って、実は非常に曖昧で
川によっては、半々のYN型がネイティブ・・・なんて可能性もあるそうですよ

ひょっとすると鈴鹿山系のネイティブヤマトは、微妙にニッコウの血を受け継いでいるのかもしれないですね!!
なんかロマンですね!(笑)

「ヤマトだから・・・」「ニッコウだから・・・」ではなくて
『この川のネイティブ』、これが大事なんでしょうね(^^)b
Posted by Kawatombo Ken at 2008年08月30日 21:58
jbopperさん、こんばんは!

そうですね!
jbopperさんの意見は、いつもとても真摯ですね(^^)b
全ての魚を分け隔てなく愛する・・・FFマンはこうありたいものですよね!!

ヤマトへのこだわりを持ちつつ
こういう気持ちも、決して忘れてはいけないですね♪
Posted by Kawatombo Ken at 2008年08月30日 22:02
みかんさん、こんばんは!

キリクチ・・・
そうですね、絶滅寸前の南限のイワナ・・・
果たして10年後、生き残ってくれているんでしょうかね?
釣りたいとは言いません(釣りたいですが・・・)
一度で良いから、この目で野性の個体を見てみたいものです(^^)b

やはりニッコウの放流が原因ですか・・・

でも、こういう話になるとニッコウイワナを悪者のように言わなければならないのが悲しいです(;^^A
「あ~あ、ニッコウ系か・・・」彼らが悪いわけじゃないですが、何度言った事かこの台詞・・・
Posted by Kawatombo Ken at 2008年08月30日 22:07
まつやんさん、こんばんは!

釣り人は、「釣りたい!」・・・これで良いと思います(^^)b
釣りたいから守るんです♪
色々理屈をこね始めると、話が複雑になっちゃいますよ♪(笑)

ヤマトイワナの魅力を多くの人に伝えて、ニーズが高まれば
ニッコウ系の乱放流にも多少は歯止めがかかるのでは?

・・・なんて考えはどうでしょうか?(人からの受け売りです(笑))
Posted by Kawatombo Ken at 2008年08月30日 22:12
こんばんわ、
    
漁業権がある河川では、放流実績を県に申請しなくては
漁業権の存続がままならない実情などもあり、
ますますネイティブの存続が難しい状況なのですね。
    
釜無水系の源流・・・自分も同じようなイワナを釣ったのですが
経験不足もあり、良く分からないのが本音です。
    
後ろから追いついた、餌師の魚篭が気になってはおりましたが
15cm以上はキープ可能な事もあり、ん~難しいなぁ。
   
せめて、自分は画像と思い出に残す事にしております。
    
 
Posted by メタボおやじ at 2008年08月30日 22:22
こんばんは、Kawatombo kenさん!

ネイティブ~ヤマト~イワナ・・。麗しくも憧れる、ワタシが夢見る渓魚ですね!
「イワナは各河川ごとに、場所によっては各支流ごとに異なる特徴を持つ・・」
いつも釣れないワタシなりにも(汗)、そういうことに注目しているこの頃です。ムズカシイことはワタシなどが語ることではないのですが、それぞれの渓の原種イワナが存続される・・そんなことを強く願望しています。
Posted by oko-rocksoko-rocks at 2008年08月30日 22:56
こんばんは。

大変勉強になりました。
純粋なヤマトも純粋なニッコウも少なそうですね。
これからは背中の写真を残して置きます。
Posted by release-windknotrelease-windknot at 2008年08月30日 23:37
う~ん
勉強になりました。
概ね自分の解釈が間違ってはいなかったようでホッとしています(笑)
絶えてしまう前に何かしらの手が欲しいですね。
Posted by nen at 2008年08月30日 23:38
メタボおやじさん、こんにちは!

漁業権の問題ですか・・・
それは難しいですね(;^^A
放流しなければならないなんて、何かおかしい気がしますよ
でも、どこの漁協でも「雑魚川」のように出来るわけでも無し・・・

法律を改正してもらうしかないんでしょうかね?

>画像と思い出に残す・・・
確かに、私もそう思っている部分はありますよ
寂しいですね・・・
Posted by Kawatombo Ken at 2008年08月31日 15:17
oko-rocksさん、こんにちは!

放流魚であっても結構個性が出ているので面白いですよね♪
やはり環境が大きく左右するんでしょうかね?

原種のイワナ・・・
やはり禁漁区間を漁協独自で設定して種沢を守る
こういう取り組みが必要なのかもしれないですね!
下流部は放流物と混じっても、上流域に原種が残ってくれますから(^^)b
Posted by Kawatombo Ken at 2008年08月31日 15:56
release-windknotさん、こんばんは!

たまに人のブログを見ても思うんですよ!
「このイワナの背中!見たぁぁああい!!」ってね(笑)
結構学術的な調査においても、背中の白点をY型の指標にしているんで
重要なんだと思いますよ♪

逆に微妙なYN型の魚は、わざと背中を撮らずに
「純血のヤマト、釣ったぁ!」なんて・・・(;^^A
Posted by Kawatombo Ken at 2008年08月31日 16:00
nenさん、こんにちは!

今いる魚を守っていく・・・
個人の釣り人のレベルでは、そのくらいが限界なのかも知れません(;^^A
ただ・・・多くの人が集まれば・・・
何か出来ないものかと考えています(^^)b

今まで良い事と思っていた、源流放流(移しイワナ)・・・
これもキチンと原種であることを確認して行わないと、かえって被害を広げることになりますし・・・
難しいものですね!
Posted by Kawatombo Ken at 2008年08月31日 16:04
出た!イワナフェチ

たまに、雑誌等でも
イワナは在来種について云々語られるけれど、
ヤマメやアマゴはどうなんだろうね?

やっぱりパーマークの出方とかちがうのかな?

そういえば、東北でつれたヤマメのパーマークは
楕円形だったけど、
シャロムの森でのヤマメは円に近いっけ

生息環境とかにもよるんだろうけど、
ヤマメは分類しないのかね???
Posted by SAGE愛好会 at 2008年08月31日 16:20
SAGE愛好会さん、こんにちは!

ヤマメとアマゴは、イワナ以上の危機に晒されてるらしいよ・・・
イワナだと、「人跡未踏の山奥の地図にも出ていない藪沢に、ひっそりと原種が残ってた」
なんてことも有り得るけど
ヤマメだとどうしても人の手が届く範囲が生息域だから、容易に放流魚と混じってしまうらしいですよ・・・

イワナほど川ごとの形態に差が無いのも、分類があまりされていない理由かも?

シャロムのヤマメも、過去に放流実績があるし
純粋なネイティブではないのかも知れないですね・・・これまた寂しい話

ただ、私もSAGE愛好会さんの言うように
「純粋種にこだわるよりも、一匹の魚との出会いが大事」
これも判っているつもりですよ(^^)b
Posted by Kawatombo Ken at 2008年08月31日 16:40
いやあ~ これから渓流釣に足を突っ込もうと言う私にとって、すべて聞くもの見るものが 初◎◎ ですから、参考になります。
私のような無知な者が自然に立ち入るのですから最低限知っておかなければ・・・などではなくこうした種の保存の観点から見分け方など勉強することも大事だと思います。これからもよろしくお願いしますね♪♪

キャッチアンドイート派ですので、知らなきゃ食べてました(汗)
キャッチアンドリリース派のお考えは勿論尊重しますよ。
必要以上に獲らないですね♪♪

川魚も塩焼など旨いですからね♪お取り寄せでお世話になってた総社市の養殖場のニジマス激旨です・・・・聞くところのよると・・なんと此方管理釣り場を経営されてたそうです(爆)灯台下暗しでした。
Posted by ittoQittoQ at 2008年08月31日 17:36
ittoQさん、こんばんは!

実は私、純粋なC&R派ではないんですよ( ´∀`)ノ
魚の希少性や、放流の有無を考えて、「喰らう!」
全く否定しません、むしろ自然な事だと思ってます♪

今現在は100%C&Rをしてますが、理由は他にもあるんです

FFは荷物が多い!
その上歩く!!
ミニクーラーバッグと言えど、持ち歩くのが疲れる・・・(;^^A
と言うことなんですよ(笑)
Posted by Kawatombo Ken at 2008年08月31日 22:59
こんにちは

私は、長野県上伊那の天竜川水系支流を釣り歩いている者です。主に有名な川では、三峰川があります。私の釣りは、上流と言っても、車で行ける範囲しかないので、車止めから歩いて5分位の釣しかしたことがありません。今までに2000匹以上はイワナを釣っていると思いますが、大和イワナには一度も会ったことがありません。地元の方で三峰川の源流を目指して、テントを張って登山をして、やっとの思いでヤマトに会えるそうです。急いでも3日はかかるそうです。皆さんがどの様な釣りをしているかは分かりませんが、私と同じような釣では、恐らくヤマトには会えないでしょうね。

「人の手が入らない場所」・・・そんな所にしかいない魚だからこそ、ヤマトイワナは、伝説なのかもしれません。 

私も、何時か源流へ行って、ヤマトイワナに会いたいです。その日まで、漁業組合が放流した岩魚で、釣りを楽しみたいと思います。
Posted by suzuyosi at 2011年09月05日 10:29
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