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2008年09月13日

ヤマトイワナの受難・・・

ヤマトイワナを釣るのは大変です(;^^A

東京からですと、まず高速道路で山梨や長野まで向かい・・・
ICを降りたら山奥を目指して一般道をひた走り・・・
川に到着したと思ったら今度は砂利道を上流に向かって行き・・・
車留めからは林道を一時間くらい歩いて・・・
場所によってはココから更に川原を歩いて堰堤や滝を越えて・・・

それでようやくヤマトイワナが生息している可能性のある場所に到達します
ヤマトイワナの受難・・・
本来であれば関東地方では普通種であるはずのヤマトイワナ
一体誰が、何がヤマトイワナをココまで追い詰めてしまったのでしょうか!?
釣り人?
それは半分当たりで、半分はずれ・・・
直接的な原因はニッコウイワナの浸食でした

近年、
「外来生物の浸食により在来の生物が追い詰められている」
という話をよく聞きますが、ある意味もっと深刻なことがヤマトイワナには起こっているんです
ヤマトイワナの受難・・・
外来生物の浸食・・・例えばザリガニで説明すると
アメリカザリガニ(通称マッカチン)と在来のザリガニ
汚い水にも適応し繁殖力の強いアメリカザリガニは、在来のザリガニとの生存競争に打ち勝ち、その生息範囲を広げて行き
在来のザリガニは、徐々にその数を減らしていく・・・
これも深刻は深刻だが、数少ない在来のザリガニを見つけられれば、そのザリガニは間違いなく、太古の昔より遺伝子を受け継いできた、日本在来のザリガニであることは間違いが無いんです
ヤマトイワナの受難・・・
イワナの場合ですと
ニッコウイワナはヤマトイワナを駆逐したりはしないのです、「亜種」で区分されるこの二つのイワナ、簡単に言うと「混血」してしまうのです
しかも、ブルックとブラウンの混血「タイガートラウト」のように繁殖力を持たなかったり、子供はどちらかの魚に戻ってしまう「一代雑種(F1)」ではないので、その混血の特徴がその後受け継がれていくことになります
生息域がその雑種で埋め尽くされ本来の原種の魚が居なくなった時、それを絶滅と言います
(日本の朱鷺の変わりに、中国の朱鷺を持ち込んだって、絶滅には変わりないでしょ?)
捕食や生存競争より、ある意味厄介です
ヤマトイワナの受難・・・
更にイワナは「両生類か!!」と突っ込みを入れたくなるくらいの遡上能力を持ち、信じられないくらいの落差や、細く浅い流れを乗り越えて、上流部へと登って行く性質を持っています
雨の日に山を登るイワナを見た・・・なんて言う逸話があるくらいです
すなわち下流部に放流されたニッコウイワナは、あっという間に最上流部のヤマトイワナの生息域にまで到達してしまうと言う事です、それを食い止めているのは皮肉なことに、これも自然破壊の象徴『砂防堰堤』だったりします・・・
ヤマトイワナの受難・・・
更に更に・・・
本来ならば、下流からのニッコウイワナの浸食を完全に食い止めているはずの大きな堰堤や滝の上流部・・・
「放流実績が無いはずなのに、何でニッコウイワナが!?」なんてことも有ります
この原因はただ一つ・・・釣人による移しイワナや源頭放流です・・・
地元の釣師の方は、他の川で釣をしないからなんでしょうか?、イワナに違う種類が居るという知識のない方も多く、わざわざ険しい山道を下流部で釣り上げたイワナを生かしたまま持って登り、放流すると言う事をしています・・・
ヤマトイワナの受難・・・
これ・・・やっている方は良い事をしている気になっている、そんな方が多いのが余計に厄介です(;^^A
仮に行うとしても、専門の研究者立会いの下
「間違いなくこの支流の原種である!」と断言できるイワナのみを選んで、上流部に持っていく事をしなければ、これも自然破壊以外の何者でもありません
某有名河川においても、本流で釣り上げたイワナを源頭放流する活動をしている団体が居ますが
専門家にとっても難しいと言われる原種のイワナの判定を、一体どうやって行っているのか疑問です
ヤマトイワナの受難・・・
ならば一体、たかが一釣人である私たちに何が出来るのか?
・・・未だに私にはその答えは出せません
ただ、
C&Rをする(全部じゃないですよ、ネイティブだけでも・・・と言う意味に捉えてください)
ゴミを捨てない
良かれと思っても、魚を移動させない
そして、広くヤマトイワナの危機を訴える


こうして今居る魚を極力減らさない、という事くらいは出来るのではないか・・・
そんな風に思っています
10年後、20年後、思い出だけで「ヤマトイワナ」を語ることになってしまったら・・・悲しいですね

Kawatombo Ken

PS.
今回の記事に使用した美しいヤマトイワナの写真は、全てCREEK WALKERSさん提供によるものです!
彼もまたヤマトイワナの危機を憂い、この魚の魅力を広く伝えることで絶滅を食い止めようとしています
まぁ、要するに、私の写真の腕前では、ヤマトイワナの魅力が伝えきれないと言うわけでして・・・(笑)

私は彼の考え、思いに賛同し、この後もヤマトイワナを守るために何が出来るのか、考えて行きたいと思います
多くの賛同者が集まれば、もっと直接的に起こせる行動もあるかもしれません(^^)b
この美しい日本固有のイワナ・・・守らなければ!!


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この記事へのコメント
こんばんは、Kawatombo Kenさん!

ワタシも是非ともお逢いしたいヤマトイワナさま。でも Kawatombo Kenさんはじめ皆さんのナチュログ記事をあれこれ閲覧するまでは、恥ずかしながらワタシその稀少性のようなものをさほど認識していませんでした。
昔々テレビのドキュメンタリー番組で「源流岩魚の釣人による移しイワナや源頭放流」みたいなのを観て、そのときはワタシ正直言って無邪気に感心していましたが、その危うさのようなものを最近になって痛感しています。それぞれの渓の独自のイワナを守る・・大切なことだと思います。
「珍しいものを釣ってみたい、見てみたい」なんて気安く興味本位に自然を荒らしてはならないのだと思っています。
Posted by oko-rocksoko-rocks at 2008年09月13日 23:12
Kenさん、こんばんは!
いやぁ~綺麗なヤマトイワナですね(^^)b
写真が良いとやはり違いますね♪
久しぶりに私も彼等に会いたくなりましたよ!!

記事内の某有名河川には、行った事がないんですが
日本海側流出河川なんでN型の生息域ですよね、原種の同定は難しいと思いますよ・・・
仮に原種だとしても、移植放流された魚とその子孫をネイティブと呼んで良い物か・・・微妙ですね(;^^A

上の記事のoko-rocksさんへ
>珍しいものを釣ってみたい、見てみたい
釣人はそれで良いと思います、保護は興味を持つ事から始めたって良いんですよ
だから守りたい、だから極力自然を荒らさない、そういう考えを持つことが大事です!
ぜひ一度、ヤマトイワナを釣ってみてください(^^)b
そしてもっと彼らの魅力を知って欲しいですよ!!
Posted by さすらい人 at 2008年09月14日 22:41
oko-rocksさん、こんばんは!

たぶんその番組、私も見た記憶が有ります
私も感心してましたよ・・・(;^^A

もちろん、その沢の原種であれば有効な手段なんでしょうが
逆に原種でなかった場合、その沢の原種を絶滅させかねない「暴挙」ともなりうるんでしょうね・・・難しいです

来期は、一緒に天竜川でも行きましょうか♪
ヤマトイワナの魅力は、実物を見て初めて判ると思いますよ!!
Posted by Kawatombo KenKawatombo Ken at 2008年09月14日 23:49
さすらい人さん、こんばんは!

来シーズン、こちらに戻ってくる予定はあるんですか?
それまでに何とか、課題の釜無水系の純血ヤマトの釣れる沢、発見しますよ(^^)b
ぜひ一緒に行きましょうよ♪

その川の事だけを言った訳ではないんですよ・・・(;^^A
我々が知らないだけで、キチンと同定している可能性もありますし!

「魚留めの滝の上流にイワナを移す、これも生態系の破壊だ!」
・・・以前言ってましたね(・∀・)
もしかしたら、希少な水生昆虫の生息域を破壊してしまう事にもなりかねないですものね!
もっと色々勉強しないとダメですね・・・(笑)
Posted by Kawatombo KenKawatombo Ken at 2008年09月15日 00:00
こんばんは、
養殖イワナが放流されるようになったのは、ここ20年くらいの事でしょうか、
ちょうど我々の世代に多くの天然渓魚が失われつつあるという事は悲しいですね。

関東は相模川水系にヤマトの報告があるようですが、基本的にニッコウのはずですよ。

ところで写真の画質、もう少し良くなりません?
容量の関係はあると思いますが、クリックすると、どどんとデカくなるような。
Posted by CREEK WALKERS at 2008年09月15日 20:52
CREEK WALKERSさん、こんばんは!

早速写真を使わせて頂きました、画質の件も改善しましたよ♪
(拡大版の写真の「ロゴ」は、明日以降入れますので・・・)
やはり、大きい写真の方が良いですね!
次回以降、同じ方法をとりますよ(;^^A

>養殖イワナ・・・
何となく覚えています、中学生くらいの頃(?)
「イワナの人口養殖が各地で出来るようになった」みたいなニュースを聴いた記憶がありますよ、その時は感心しただけですが(;^^A
もちろん「幻の魚」だったイワナを気軽に釣ることが出来るようになったのは、大きな功績なんでしょうがね・・・

>相模川・・・
相模川以西が、生息域だと聞いたことがありますよ
今でも残っているんですかね?
Posted by Kawatombo Ken at 2008年09月15日 23:17
初めまして!
頻繁ではありませんが、ここ何年も山梨県内にヤマトがいないものかと、探しております。
しかし、実際は難しいですね^^;
(南アルプス、N川に登れば居るかもしれませんが・・・)
Posted by Kocyuge at 2014年06月18日 12:06
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