2009年11月03日
幻想・川蜻蛉 番外編「隠れ滝の無斑岩魚」後編
幻想・川蜻蛉 番外編「隠れ滝の無斑岩魚」後編
(相当長いので、覚悟してお読みいただけると幸いです!)

深夜なので、高速道路が空いている事もあるのだろうが、午前3時には目的地のB川への入渓ポイントに到着した
まぁ入渓ポイントといっても、車で入れる限界点と言うだけで、実際に川原へ降りる場所はココから徒歩で1時間半は掛かる
さらに「不動の連瀑」までは、釣り無しで川原を遡上しても3時間・・・そして更に滝を高巻き・・・
これは完全に沢登りの山屋さんのコースであって、釣人の行く道ではない(;^^A
「ん・・・着いたのか?」
熟睡していたはずなのに、ポイントに着くと気味が悪いくらいパッチリと目を覚ます店長・・・いつもの事なので、もう驚く気にもならない
一応店長は「大地の竜脈を感じ取る事が出来れば、造作も無い事だ!」と言っているのだが、どこまで本当なのかツッコミを入れるのにも疲れたので最近は放置している、あるがままを受け入れるしかないのだ、この人は(笑)
「明日一日がかりで目的地まで行こうと思う、相当ハードな行程だから、しっかり仮眠を取って余裕を持って行くことにしよう」
「何時まで仮眠しますか?」
「釣り無しだったら10時、少しは釣りたいなら8時って所だろうな」
「じゃあ8時で♪」
店長の事だから、今すぐ行くぞ!なんて言われる事も覚悟していたが、流石に(自分の)体力的に持たないと言う事なんだろうな
・・・しかし足腰に自信のあるはずの店長が、相当ハードな行程と言うくらいだから、半端では無いんだろうな・・・それだけに期待も出来るけど
そんな事を考えているうちに睡魔が襲ってきた、眠い目をこすって携帯を見る・・・やはり圏外だ
まぁ今晩は実家に泊まると言っていたし、そんなにチョクチョク連絡してくる奴でもない
明日マンションに帰ってきて、私の書付を見た時・・・
「・・・」
止めた!もはや考えても仕方が無い、ココで眠っておかないと事故にあって「怒られる」事すら出来なくなるかもしれない
怒られるだけで済むとは思っていないが・・・
「それにしてもこんな状況でよく眠れるよな、俺も・・・」
結局、携帯電話を握り締めたまま眠りに落ちてしまった
(相当長いので、覚悟してお読みいただけると幸いです!)

深夜なので、高速道路が空いている事もあるのだろうが、午前3時には目的地のB川への入渓ポイントに到着した
まぁ入渓ポイントといっても、車で入れる限界点と言うだけで、実際に川原へ降りる場所はココから徒歩で1時間半は掛かる
さらに「不動の連瀑」までは、釣り無しで川原を遡上しても3時間・・・そして更に滝を高巻き・・・
これは完全に沢登りの山屋さんのコースであって、釣人の行く道ではない(;^^A
「ん・・・着いたのか?」
熟睡していたはずなのに、ポイントに着くと気味が悪いくらいパッチリと目を覚ます店長・・・いつもの事なので、もう驚く気にもならない
一応店長は「大地の竜脈を感じ取る事が出来れば、造作も無い事だ!」と言っているのだが、どこまで本当なのかツッコミを入れるのにも疲れたので最近は放置している、あるがままを受け入れるしかないのだ、この人は(笑)
「明日一日がかりで目的地まで行こうと思う、相当ハードな行程だから、しっかり仮眠を取って余裕を持って行くことにしよう」
「何時まで仮眠しますか?」
「釣り無しだったら10時、少しは釣りたいなら8時って所だろうな」
「じゃあ8時で♪」
店長の事だから、今すぐ行くぞ!なんて言われる事も覚悟していたが、流石に(自分の)体力的に持たないと言う事なんだろうな
・・・しかし足腰に自信のあるはずの店長が、相当ハードな行程と言うくらいだから、半端では無いんだろうな・・・それだけに期待も出来るけど
そんな事を考えているうちに睡魔が襲ってきた、眠い目をこすって携帯を見る・・・やはり圏外だ
まぁ今晩は実家に泊まると言っていたし、そんなにチョクチョク連絡してくる奴でもない
明日マンションに帰ってきて、私の書付を見た時・・・
「・・・」
止めた!もはや考えても仕方が無い、ココで眠っておかないと事故にあって「怒られる」事すら出来なくなるかもしれない
怒られるだけで済むとは思っていないが・・・
「それにしてもこんな状況でよく眠れるよな、俺も・・・」
結局、携帯電話を握り締めたまま眠りに落ちてしまった
・・・
・・・
・・・
来なければ良かった・・・
最近本格的な山岳渓の釣り上がりをしていなかったせいだろうか、足腰が思うように前に進んでくれない
釣りをしながらであれば、適度に休みながらユックリと沢登りをする訳だから、それ程のキツさを感じないせいかもしれないが、とにかく辛い!!
巨大な岩や崖をへつったり、巻いたり、直登りをしたりと「ボルダリングをしに来たんじゃないぞ!!」と言いたくなるくらいのハードな障害が次々と目の前に現れた
以前も来た事があったはずだが、ここまで凄い遡上をした覚えは無いんだが・・・
「さっさとしろ!日が暮れちまうぞ!!」
「て、店長・・・待ってくださいよ・・・ここってこんなにキツかったでしたっけ?」
「いや・・・この間は迂回路を交えながら遡上したからな!折角早起きをしたから、釣の時間もある程度取って置いた方が良いと思って、近道をしているんだ」
か、勝手なことを・・・そりゃ、あんたは良いよ!車の中で熟睡していたんだから!!とは思っても口には出せない(笑)
そんなこんなで息も絶え絶えになりながら、なんとか取り敢えずの目的地「不動隠れ滝」が見える場所まで到着した
時間を見ると5時を回っている、日も翳り始めて来た・・・イブニングをする元気も無いし、本格攻略は明日と言う事になるんだろうな
しかし、辛い思いをした甲斐があって

こんな良い型のイワナを途中で釣り上げる事も出来たし、まぁ初日にしてはまずまず満足するべき結果だろう♪
・・・あれ?なんかおかしいぞ
「あのぉ・・・店長、ここって3段目の上ですよね」
「そうだが」
「だって、目的地は3.5段目の上ですよね?ココまで来たらダメじゃないですか、下から巻いて来ないと」
今見下ろしている滝が、未攻略(店長は釣をしているが・・・)なはずの「不動隠れ滝」なのだから
「あのな、沢登りの専門家連中が見つけられていない高巻きルートだぞ、仮にあっても俺達の装備や技術じゃあ無理に決まっているだろうが!」
確かにそうだ・・・だからこそ今の今まで手付かずの流れが温存されていると言う事なんだから
「じゃあ、どうするんですか?」
「”俺は”ロープで下に降りる」
成る程!登るのは難しくても、ロープにぶら下がって降りるだけなら、我々にも可能と言う事なんだろな・・・ん?
「あ、あのぉ・・・”俺は”と言う事は・・・私はどうするんですか?」
猛烈に嫌な予感がする!!
「お前はロープを回収した後で、ココから滝壺に飛び込むんだ」
やっぱり!!!
「なぁに、大丈夫だ!草が茂っていないから、ほら!滝壺がココからも見えるだろ?見えない状態で飛び込むのは、そりゃあ怖いだろうからな♪水温も水量も適当だし、安心して飛び込め」
・・・だから「今の時期しか無い」と言っていたのか、やられた!
「私もロープで下ろさせてくださいよぉ~」
「そうしてやりたいのは山々なんだが、こんな自然豊な場所にロープを残していく訳には行かないだろ?」
「回収しに戻ってくれば・・・」
「出来なくは無いが、どうせ帰りも3.5段目を飛び降りる事になるんだ、1回も2回も同じ事だろ?」
どうやら前回来た時に店長は、3段目は下の状況が判らないので、ロープで降り、3.5段目は充分な深さがあることが判っていたので飛び込んだらしい・・・そして再び高巻きして3段目のロープを回収・・・そういったルートを取ったらしい
グチャグチャと迷っている内に、店長はサッサとロープを丈夫そうな木に括りつけて、降りていってしまった
「て、店長~!やっぱり私もロープで降りますよぉ~!!」
「やかましい!下に比べればこっちの方がまだマシだ、死なないから大丈夫だ、仮に死んでも例の沢で釣して良いから安心しろ!」
一体何を安心すれば良いんだろうか(笑)
ドッパァァアアアン!!!・・・
紆余曲折の末の30分後、これ以上時間が経つと暗くなって滝壺が見えなくなるギリギリで、なんとか飛び降りる事が出来た・・・
何が適水温だ!無茶苦茶冷たいじゃないか!!
「な!死ななかっただろ?」
リアルに「死ぬ思い」をしたというのに、この扱い!
「しかし・・・もう少し静かに飛び込めなかったのかねぇ・・・こんなに派手に水音をたてて、明日までにポイントが回復するかな?」
「!・?☆△!!○、~-|」(声にならない怒り)
「日が沈みきらないうちに行くぞ!」
まだ身体をタオルで拭いている私を尻目に、下流に向かって歩き出してしまった・・・私の荷物を持ってくれていることから、一応は労ってくれているんだろうなぁ、とは思うのだが(;^^A
・・・
・・・
・・・
香ばしい匂いがする・・・コーヒーか
珍しいな、コーヒーは嫌いだから、朝はいつもご飯に味噌汁のはずなのに・・・
まぁ俺は好きだから良いんだけど・・・ん?
森の中だ、随分不自然な格好で眠ったせいだろうか、身体の節々が痛い
「なんだ、もう起きたのか?まだ6時だぞ」
「良い匂いがしたんで、目が覚めちゃいましたよ♪」
「そうか・・・」
店長が淹れてくれたコーヒーに暖かいチリビーンズ(店長自作、意外とマメです)、密かに私が「黄金のメニュー」と呼ぶ最高の朝飯を胃に流し込む、このマッタリとした時間・・・なんとも言えない、まさに至福だ!
たった一つの心配事を除けば・・・(;^^A
「見ろ!ライズだ!!どうやら悪くない状況の様だぞ」
数匹のイワナが跳ねているのが見えたが、そのうちの1匹が・・・妙に白っぽい!?
「まさか今のは・・・」
「あぁ、無斑イワナだろうな」
ドクン!!
体温が数度上昇したような気がした・・・
嫁の事も、昨日酷い目に遭ったことも一瞬で吹き飛び、「獲物を狙う目」になり頭の中が「戦闘モード」に切り替わった!!
店長は私がムハンを釣るまでは竿を出さないようで、そのライズは完全に私に委ねてくれた!
1投目・・・
ライズの一番下流にフワリとエルクヘアカディスが乗る、それ程複雑な流れではないが、テンションが高いので、意味も無くメンディングを入れてみる
「どこぞの信者じゃあるまいし!」
お約束のツッコミが入る(笑)、その刹那!!
フッ・・・
フライが水中に消し込む
鋭いアワセを入れ、早目に下流に引き寄せる・・・出来ればライズは温存したいからな♪
「ほぉ・・・上手くなったな」
店長も感心するほどの改心のやり取りで、あっという間尚且つ水音一つ立てずに、イワナをネットに取り込んだ

残念!普通イワナだ・・・
「気にするな!確立1/4だ普通イワナのほうが確立が高い、それにあのライズの内1匹はムハンだ、全部釣り上げれば良いんだよ♪」
まぁそれはそれで至難の業だが・・・(;^^A
「良し!!」
ライズのヌシ2匹目もヒット♪

また普通イワナ・・・
「ドンマイドンマイ、確立1/4だ!まだライズは終わっていないぞ」
「ハイ、そうですね」
だんだん複雑な流れに移動していくライズ・・・恐らく魚は2匹・・・1/2の確立だ!
流れの向こう側のライズの上流に打ち込み、通常の3倍の速度でメンディング
「ロッドの性能差が、釣果の絶対的な差では無いことを教えてやる!」
「なんだそりゃ?マジンガーゼットか?」
世代のギャップだな・・・(笑)
「また来ました」
下流に引き寄せようとするが、大きい!
派手に暴れられてしまい、残り1匹は逃げてしまったが・・・1/2でムハンだ!逃してたまるか!!

「・・・・」
「・・・お前、アホか!?釣りやすい方を釣れよ!ワザワザ難しい所に打ち込んで大きい方から釣るか?普通」
いや、普通そうするだろ・・・とは思っても言えない私・・・(笑)
「スイマセン・・・」
別に悪くは無いと思うんだが、いや「運が」悪いのか・・・
「1引く3/4の3乗×100!いくつか判るか?」
「いえ・・・」
「約57.8%だ!3匹釣ってムハンイワナが釣れる確立だ」
「うるさいよ!このクソオヤジ!!」
とは思っても、口に出せ・・・出してしまった!!ヤバイ!!!
「死ね!」
思い切り水面を蹴飛ばされ、水を全身に被ってしまったが・・・?
なんだか店長が笑ったような気がする
それからも次々と魚がヒットするのだが、どう言う訳だか全て「普通イワナ」
明らかに「ムハンイワナ」と思われる魚影も結構見かけたのだが、上手い事喰いついてくれない・・・
「コレで82.2%!いい加減に釣れ!!」
私が1匹釣る度に、一々携帯電話の電卓で確立計算して、『いかに私が運が悪いか』を報告してくる!
「ヤカマシイ!変な術掛けてんじゃ無いだろうな!!」
「自分のヘタレを棚に上げて、ほざくな!」
その度に罵りあう・・・
・・・そう言えば店長と、こんな風に「仲の良い釣仲間」のように悪態を付き合ったり、なんて事・・・今までしたこと無かったな・・・
悪口を言い合っているのに、何だか心地良い
楽しいなぁ、やはり釣りは良いなぁ~♪
店長との馬鹿なやり取り、雄大な自然、美しいイワナ・・・これで良いじゃないか
頭の中からムハンイワナのことが消えた・・・
バシャ!
フライが水中に消える
反射的に腕が動く
水飛沫を上げて宙に浮くライン
手に感じる心地よい魚の感触
寄ってくる魚をネットですくう
これは!

ムハンイワナだ!!
姿形はまさにイワナそのものだが、本当に背中や側面の白点も、朱点も、パーマークも無い
「来た、来た!ムハン!!」
店長が駆け寄ってきて、ネットの中を覗き込む・・・コクリと頷き私のほうを向いた
一瞬だけ緩んだ口元を、すぐにへの字に曲げて
「フン!そりゃあ釣れるさ、1/4の確立だぞ?今まで釣れないのがおかしかったんだよ!」
「ありがとうございます!来て良かったですよ♪」
店長の悪態も褒め言葉に聞こえる

ニコパチ嫌いの店長だが、今回ばかりは撮影してくれた

撮影風景の撮影も「サービス」してくれましたよ♪
しかしこの後すぐに店長は上流で釣りを始めてしまった
釣りをしたかったんだろうなぁ~(笑)



データの収集のために、パーツごとのアップ写真も欠かさず撮影!
「う~ん・・・本当にこんな魚が居るんだなぁ・・・」
今まで写真だけは何度も見せてもらっていたけれど、やはり実物を目の前にすると感慨深い物がある・・・
美しい・・・
・・・
・・・
しばし、この自然の奇跡に見とれてしまった・・・
「オイ!」
「うわぁ、ビックリした!!て、店長、上流に行ったんじゃないんですか?」
「釣ったぞ♪」
店長のランディングネットの中には、私が釣った物より大きな「ムハンイワナ」が入っていた
「一投一殺だ!」
勝ち誇ったようにニヤリと笑う店長
・・・「ハイハイそうですか、あんたは上手だよ」・・・と思っても口に出せない、いや「出さない」私、勝ち誇らせておこう
店長は滝までの区間で12匹を釣り上げ、キッチリ確立どおりに3匹のムハンイワナが含まれていた
私も滝壺で、1匹ムハンを追加して・・・目的達成!!と言う所でしょうね(^^)b
「やはりそうか・・・」
珍しく終始ご機嫌だった店長が、滝壺の様子を見て渋い顔をしている・・・
「どうしたんですか?」
「去年に比べて、滝壺が随分小さくなっている・・・」
去年直撃した台風によって、今まで起きた事も無いほどの大きな崩落が起こり、土砂が流れ込んだらしい
滝までの流れにも、去年はもう少し深い場所が多かったそうだ
「近付いている台風は、結構ヤバイ大きさだ・・・また大きな崩落が起きたら産卵床になりそうな淵が埋まってしまうかもしれない」
それだけではない、押し流されて下の段に落ちたら・・・温泉水で死んでしまうだろう・・・
「今年が最後かも知れないと言うのは、そう言う事だったんですね」
「あぁ、それこそ何千年もこの場所で生きてきたのにな・・・たったココ数年の温暖化の影響で・・・まさにあと数日で滅びてしまうかもしれないんだ・・・」
店長は悔しそうに言った、いくら怪しい術をいくつも使えるといっても台風の進路を変えたり、まして温暖化を何とかできる訳ではない・・・一人の人間の力など、自然の猛威の前には・・・本当に無力だ!
いや!手はある!!
「店長!ニンフを沈めればこの滝壺周辺で20匹やそこらは釣れるでしょ?私が滝の上に行きますから、この給水バックに入れて上に持ち上げましょうよ!!」
「要は『移しイワナ』をすると言うのか?」
「ええ、そうです!本当はムハンだけを選別したいところですが、そんな数は釣れないでしょうし、時間もないです・・・でもココのイワナのほとんどにムハンの遺伝子が継承されているなら、同じ確率で上流部で繁殖してくれますよ!」
移しイワナを100%肯定するつもりはないけれど、ココのムハンイワナの希少性を考えれば止むを得ないだろう・・・
本当ならば下流部に放流した方が、生態系への影響は少ないだろうが、圧倒的多数の「普通イワナ」の遺伝子に埋没してしまい出現頻度が激減することは目に見えている
仮にある程度の確率を維持できたとしても、6段目より下流にムハンが出現し、その事が話題になれば、今度は釣獲圧の被害を受ける事になる・・・やはり上流に放すのがベストとしか思えない
「そんなことは判っているんだ・・・俺がその程度の事を考えなかったと思うか?」
「・・・何かあるんですか?確かに店長は移しイワナ否定派なのは知っていますが、疑う余地のないこの沢の『ネイティブ』なんですよ?」
店長は深くため息をつき、バックの中からデジタルカメラを取り出した
「この写真を見ろ」
写真には1匹のカワゲラが写っていた
「店長・・・これは?」
「この沢の上流部にのみ生息する固有種のカワゲラだ・・・」
カワゲラ・・・?
店長が真の魚留の滝を探索中に見つけた小さなカワゲラ・・・流石に水生昆虫にも詳しかったため、自分の記憶にない姿形のカワゲラである事に気付き、然るべき場所で遺伝子の調査を行ってもらったそうだ
そして新種のカワゲラである可能性が極めて高い事が判明したのは、つい先日の事だった
勿論、正式に新種とされるには色々と複雑な手続きもあるようだが、少なくともこの沢で独自の進化を遂げた貴重な昆虫であることは間違いない
「判るか?3段目の滝より上流の水中においては、このカワゲラが生態系の頂点にいる・・・頂点にいるからこその進化を遂げて、生態を持ち、繁殖をしているはずだ!そこにカワゲラの天敵であるイワナを放流したらどうなる?有史以来魚に喰われたことのないカワゲラに、自分の身を守る術があると思うか?」
「フライフィッシャーは、釣人である前に自然の守護者であれ」
店長が常々自戒の意味も込めて言う台詞だ
「この沢のムハンイワナを守りたい、その気持は俺だって同じだ・・・だが・・・だが、そのために上流部の生態系を崩すことは出来ない!やってはならないんだ!!」
そうだ・・・その通りだ、仮にこの沢のムハンイワナがどれ程貴重であったとしても、保護のために別の生き物、別の場所の生態系を崩して良い理由にはならない、神ならぬ我々人間が生き物に貴賎の区別をしてはいけないのだ・・・それが例えちっぽけな虫1匹だったとしても
「俺は、貴重なのはムハンイワナではなくて、この沢のこの区間そのものだと思うんだ、外界から完全に隔絶された奇跡のようなイワナの聖域なんだよココは!
人間の愚かしさが異常気象を招いて、巨大台風でこの場所が破壊されてしますなら・・・ここのムハンイワナも共に滅びるのが相応しいんだと思うよ・・・まぁ暴論だがな」
店長の手によって、すでに然るべき研究施設にこの沢のムハンイワナと普通イワナを数匹、研究用のサンプルとして保管されているようだから
将来生物学が進歩すれば、その魚のクローンを作り出して、この沢に再び放つ事も可能かもしれない
遺伝子的にはまさにこの川のネイティブと全く同じはずだが・・・果たしてその魚をネイティブと読んで良いのだろうか?
こうして少々後味の悪い気持ちを残して、今回の釣行は終わりを告げた・・・
もうすぐやってくる巨大台風の後、この沢にイワナが残っているのかは、来年また確かめに来なくてはならない
「イワナは両生類だ!」誰かが言っていた、イワナのとてつもない生命力を表すこの言葉を、今はただひたすら信じたい
このやり切れない気持ちを抱えていたせいなのか、帰りの滝からのジャンプもまるで単純作業のように淡々と飛び込んだ、飛び込むのが怖い云々言っているヒマがあったら、ムハンイワナ達の無事を祈っていたかったのだった
Kawatombo Ken
PS.
・・・
・・・
・・・
「オイ!」
「なんですか?」
帰りの車の中で、店長が突如沈黙を破った、隠れ滝を後にして以降全く口を開かなかったのに
「俺は・・・ムハンイワナ以上に、お前の無事を祈っているぞ・・・また釣りに行けると良いな・・・」
ドクン!!
急に心臓が苦しくなってきた、忘れていた・・・いや思い出さないようにしてきた・・・大変な事になっているだろうあの事を
ピリリリリ・・・
携帯の電波の届く位置に入ったのだろう、圏外に居る間に送られてきたメールや留守電が、一気に入ってきた・・・
「オイ、その辺に停めろ・・・運転を変わってやるから・・・まぁ取りあえずメール見て・・・電話してみたらどうだ?」
珍しく「優しい」店長のお言葉に甘えて、路肩に停めて助手席に座る・・・
震える手で携帯を開く・・・
『メール10件、留守電2件』
思っていたより遥かに少ない・・・少なかったら少なかったで、その理由を考えると、恐ろしくて内容を確認する事が出来ない
「どうした、見ないのか?」
「はぁ・・・心の準備が・・・気にしないでください」
「そうか・・・」
店長も罪悪感があるんだろうか、必要以上のことには触れず、どこかへメールを送り始めた「奥さんへの帰るメール」だろうか・・・
気軽にそんな事が出来る店長が羨ましい
メールを見ることも、留守電を聞く事も出来ずに、ただ画面を見つめて固まっていると
プルプルプルプル・・・
電話が鳴った!嫁からだ!!ヤバイ、何の心構えも出来ていない、しかし出ない訳にも行かない・・・運転している事にして一時回避するか!?
「出ろ!出ないと、もっとヤバイぞ!!」
「は、はい!」
確かにその通りだ、何にせよまず謝らないと
・・・
「も、もしもし・・・」
「・・・」
「あ、あのさ、その・・・」
「釣れたぁ~♪」
普通に明るい、いつもの声・・・それがまた更に恐怖を倍増させる
「え?あ、あぁ、まぁまぁだけど・・・」
「そう、良かったね、久しぶりの釣りだもんね!」
「ご、ごめん・・・だから、店長とさ急に誘われちゃって、今じゃなきゃダメだからってさ」
自分でも何言っているんだか判らない、どうしたんだ?
いつもならストレートに怒って来るのに・・・心理戦か!?
「今、どこに居るか判る?」
「は?・・・実家でしょうか?」
「何言ってんの、温泉よ温泉♪」
私へのあて付けに旅行に行ったと言う事なんだろうか?
「で、誰と一緒にいるか判る?」
「え・・・まさか、私の知らない人とか?」
「さぁ~どうかなぁ~」
まさか浮気をしたと言うのか!?
「ぷ!くくく・・・ハハッハハハハハ・・・、もう許してやってくれよ!深刻な振りをするのも限界だ」
突然店長が笑い出した・・・なんだ??
「今ねぇ、店長さんの奥さんと、温泉に来ているの!」
「え?は、はぁ・・・どう言う事?」
「早い話が、ドッキリだ!いくら俺でも新婚早々のお前に、そこまで酷い事はしないさ」
「まさか、本当に私に黙って釣りに行っちゃうとは思わなかったけどね!」
「はぁ・・・」
まだ話が掴めない
要約するとこう言う事らしい
店長の奥さん(この話にはまだ登場していないが、家族ぐるみの付き合いがある)が福引で2泊3日のペア温泉旅行を引き当てた
最初は、私と店長は釣り、奥さんと嫁は温泉に行こうと話がまとまったのだが(私抜きの3者で)、3人のうちの誰かが「悪巧み」を思いついたらしい・・・
奥さんと嫁は「予定通り」金曜日から温泉三昧をしていた言う訳だ、罪悪感に押し潰されそうな私を尻目に・・・
「ま、そう言う事だ!休みはまだ1日ある、二人の居る温泉に行くぞ!」
「はぁ・・・」
まだ良く事態を飲み込めていない私は、急激に通り過ぎた「人生最大のピンチ」と「最悪のドッキリ」に半ば放心状態だった
「ムハンイワナの危機も・・・ドッキリなんですよね」
「・・・いや、そっちは本当の事だ」
「そうですか・・・言ってしまえば、私のピンチなんて、実は大したことじゃないんですよね」
「そうか?」
「奴ら、来年にも会えますよね?」
「・・・」
店長は何も答えなかった
終わり
・・・
・・・
来なければ良かった・・・
最近本格的な山岳渓の釣り上がりをしていなかったせいだろうか、足腰が思うように前に進んでくれない
釣りをしながらであれば、適度に休みながらユックリと沢登りをする訳だから、それ程のキツさを感じないせいかもしれないが、とにかく辛い!!
巨大な岩や崖をへつったり、巻いたり、直登りをしたりと「ボルダリングをしに来たんじゃないぞ!!」と言いたくなるくらいのハードな障害が次々と目の前に現れた
以前も来た事があったはずだが、ここまで凄い遡上をした覚えは無いんだが・・・
「さっさとしろ!日が暮れちまうぞ!!」
「て、店長・・・待ってくださいよ・・・ここってこんなにキツかったでしたっけ?」
「いや・・・この間は迂回路を交えながら遡上したからな!折角早起きをしたから、釣の時間もある程度取って置いた方が良いと思って、近道をしているんだ」
か、勝手なことを・・・そりゃ、あんたは良いよ!車の中で熟睡していたんだから!!とは思っても口には出せない(笑)
そんなこんなで息も絶え絶えになりながら、なんとか取り敢えずの目的地「不動隠れ滝」が見える場所まで到着した
時間を見ると5時を回っている、日も翳り始めて来た・・・イブニングをする元気も無いし、本格攻略は明日と言う事になるんだろうな
しかし、辛い思いをした甲斐があって
こんな良い型のイワナを途中で釣り上げる事も出来たし、まぁ初日にしてはまずまず満足するべき結果だろう♪
・・・あれ?なんかおかしいぞ
「あのぉ・・・店長、ここって3段目の上ですよね」
「そうだが」
「だって、目的地は3.5段目の上ですよね?ココまで来たらダメじゃないですか、下から巻いて来ないと」
今見下ろしている滝が、未攻略(店長は釣をしているが・・・)なはずの「不動隠れ滝」なのだから
「あのな、沢登りの専門家連中が見つけられていない高巻きルートだぞ、仮にあっても俺達の装備や技術じゃあ無理に決まっているだろうが!」
確かにそうだ・・・だからこそ今の今まで手付かずの流れが温存されていると言う事なんだから
「じゃあ、どうするんですか?」
「”俺は”ロープで下に降りる」
成る程!登るのは難しくても、ロープにぶら下がって降りるだけなら、我々にも可能と言う事なんだろな・・・ん?
「あ、あのぉ・・・”俺は”と言う事は・・・私はどうするんですか?」
猛烈に嫌な予感がする!!
「お前はロープを回収した後で、ココから滝壺に飛び込むんだ」
やっぱり!!!
「なぁに、大丈夫だ!草が茂っていないから、ほら!滝壺がココからも見えるだろ?見えない状態で飛び込むのは、そりゃあ怖いだろうからな♪水温も水量も適当だし、安心して飛び込め」
・・・だから「今の時期しか無い」と言っていたのか、やられた!
「私もロープで下ろさせてくださいよぉ~」
「そうしてやりたいのは山々なんだが、こんな自然豊な場所にロープを残していく訳には行かないだろ?」
「回収しに戻ってくれば・・・」
「出来なくは無いが、どうせ帰りも3.5段目を飛び降りる事になるんだ、1回も2回も同じ事だろ?」
どうやら前回来た時に店長は、3段目は下の状況が判らないので、ロープで降り、3.5段目は充分な深さがあることが判っていたので飛び込んだらしい・・・そして再び高巻きして3段目のロープを回収・・・そういったルートを取ったらしい
グチャグチャと迷っている内に、店長はサッサとロープを丈夫そうな木に括りつけて、降りていってしまった
「て、店長~!やっぱり私もロープで降りますよぉ~!!」
「やかましい!下に比べればこっちの方がまだマシだ、死なないから大丈夫だ、仮に死んでも例の沢で釣して良いから安心しろ!」
一体何を安心すれば良いんだろうか(笑)
ドッパァァアアアン!!!・・・
紆余曲折の末の30分後、これ以上時間が経つと暗くなって滝壺が見えなくなるギリギリで、なんとか飛び降りる事が出来た・・・
何が適水温だ!無茶苦茶冷たいじゃないか!!
「な!死ななかっただろ?」
リアルに「死ぬ思い」をしたというのに、この扱い!
「しかし・・・もう少し静かに飛び込めなかったのかねぇ・・・こんなに派手に水音をたてて、明日までにポイントが回復するかな?」
「!・?☆△!!○、~-|」(声にならない怒り)
「日が沈みきらないうちに行くぞ!」
まだ身体をタオルで拭いている私を尻目に、下流に向かって歩き出してしまった・・・私の荷物を持ってくれていることから、一応は労ってくれているんだろうなぁ、とは思うのだが(;^^A
・・・
・・・
・・・
香ばしい匂いがする・・・コーヒーか
珍しいな、コーヒーは嫌いだから、朝はいつもご飯に味噌汁のはずなのに・・・
まぁ俺は好きだから良いんだけど・・・ん?
森の中だ、随分不自然な格好で眠ったせいだろうか、身体の節々が痛い
「なんだ、もう起きたのか?まだ6時だぞ」
「良い匂いがしたんで、目が覚めちゃいましたよ♪」
「そうか・・・」
店長が淹れてくれたコーヒーに暖かいチリビーンズ(店長自作、意外とマメです)、密かに私が「黄金のメニュー」と呼ぶ最高の朝飯を胃に流し込む、このマッタリとした時間・・・なんとも言えない、まさに至福だ!
たった一つの心配事を除けば・・・(;^^A
「見ろ!ライズだ!!どうやら悪くない状況の様だぞ」
数匹のイワナが跳ねているのが見えたが、そのうちの1匹が・・・妙に白っぽい!?
「まさか今のは・・・」
「あぁ、無斑イワナだろうな」
ドクン!!
体温が数度上昇したような気がした・・・
嫁の事も、昨日酷い目に遭ったことも一瞬で吹き飛び、「獲物を狙う目」になり頭の中が「戦闘モード」に切り替わった!!
店長は私がムハンを釣るまでは竿を出さないようで、そのライズは完全に私に委ねてくれた!
1投目・・・
ライズの一番下流にフワリとエルクヘアカディスが乗る、それ程複雑な流れではないが、テンションが高いので、意味も無くメンディングを入れてみる
「どこぞの信者じゃあるまいし!」
お約束のツッコミが入る(笑)、その刹那!!
フッ・・・
フライが水中に消し込む
鋭いアワセを入れ、早目に下流に引き寄せる・・・出来ればライズは温存したいからな♪
「ほぉ・・・上手くなったな」
店長も感心するほどの改心のやり取りで、あっという間尚且つ水音一つ立てずに、イワナをネットに取り込んだ
残念!普通イワナだ・・・
「気にするな!確立1/4だ普通イワナのほうが確立が高い、それにあのライズの内1匹はムハンだ、全部釣り上げれば良いんだよ♪」
まぁそれはそれで至難の業だが・・・(;^^A
「良し!!」
ライズのヌシ2匹目もヒット♪
また普通イワナ・・・
「ドンマイドンマイ、確立1/4だ!まだライズは終わっていないぞ」
「ハイ、そうですね」
だんだん複雑な流れに移動していくライズ・・・恐らく魚は2匹・・・1/2の確立だ!
流れの向こう側のライズの上流に打ち込み、通常の3倍の速度でメンディング
「ロッドの性能差が、釣果の絶対的な差では無いことを教えてやる!」
「なんだそりゃ?マジンガーゼットか?」
世代のギャップだな・・・(笑)
「また来ました」
下流に引き寄せようとするが、大きい!
派手に暴れられてしまい、残り1匹は逃げてしまったが・・・1/2でムハンだ!逃してたまるか!!
「・・・・」
「・・・お前、アホか!?釣りやすい方を釣れよ!ワザワザ難しい所に打ち込んで大きい方から釣るか?普通」
いや、普通そうするだろ・・・とは思っても言えない私・・・(笑)
「スイマセン・・・」
別に悪くは無いと思うんだが、いや「運が」悪いのか・・・
「1引く3/4の3乗×100!いくつか判るか?」
「いえ・・・」
「約57.8%だ!3匹釣ってムハンイワナが釣れる確立だ」
「うるさいよ!このクソオヤジ!!」
とは思っても、口に出せ・・・出してしまった!!ヤバイ!!!
「死ね!」
思い切り水面を蹴飛ばされ、水を全身に被ってしまったが・・・?
なんだか店長が笑ったような気がする
それからも次々と魚がヒットするのだが、どう言う訳だか全て「普通イワナ」
明らかに「ムハンイワナ」と思われる魚影も結構見かけたのだが、上手い事喰いついてくれない・・・
「コレで82.2%!いい加減に釣れ!!」
私が1匹釣る度に、一々携帯電話の電卓で確立計算して、『いかに私が運が悪いか』を報告してくる!
「ヤカマシイ!変な術掛けてんじゃ無いだろうな!!」
「自分のヘタレを棚に上げて、ほざくな!」
その度に罵りあう・・・
・・・そう言えば店長と、こんな風に「仲の良い釣仲間」のように悪態を付き合ったり、なんて事・・・今までしたこと無かったな・・・
悪口を言い合っているのに、何だか心地良い
楽しいなぁ、やはり釣りは良いなぁ~♪
店長との馬鹿なやり取り、雄大な自然、美しいイワナ・・・これで良いじゃないか
頭の中からムハンイワナのことが消えた・・・
バシャ!
フライが水中に消える
反射的に腕が動く
水飛沫を上げて宙に浮くライン
手に感じる心地よい魚の感触
寄ってくる魚をネットですくう
これは!

ムハンイワナだ!!
姿形はまさにイワナそのものだが、本当に背中や側面の白点も、朱点も、パーマークも無い
「来た、来た!ムハン!!」
店長が駆け寄ってきて、ネットの中を覗き込む・・・コクリと頷き私のほうを向いた
一瞬だけ緩んだ口元を、すぐにへの字に曲げて
「フン!そりゃあ釣れるさ、1/4の確立だぞ?今まで釣れないのがおかしかったんだよ!」
「ありがとうございます!来て良かったですよ♪」
店長の悪態も褒め言葉に聞こえる
ニコパチ嫌いの店長だが、今回ばかりは撮影してくれた

撮影風景の撮影も「サービス」してくれましたよ♪
しかしこの後すぐに店長は上流で釣りを始めてしまった
釣りをしたかったんだろうなぁ~(笑)



データの収集のために、パーツごとのアップ写真も欠かさず撮影!
「う~ん・・・本当にこんな魚が居るんだなぁ・・・」
今まで写真だけは何度も見せてもらっていたけれど、やはり実物を目の前にすると感慨深い物がある・・・
美しい・・・
・・・
・・・
しばし、この自然の奇跡に見とれてしまった・・・
「オイ!」
「うわぁ、ビックリした!!て、店長、上流に行ったんじゃないんですか?」
「釣ったぞ♪」
店長のランディングネットの中には、私が釣った物より大きな「ムハンイワナ」が入っていた
「一投一殺だ!」
勝ち誇ったようにニヤリと笑う店長
・・・「ハイハイそうですか、あんたは上手だよ」・・・と思っても口に出せない、いや「出さない」私、勝ち誇らせておこう
店長は滝までの区間で12匹を釣り上げ、キッチリ確立どおりに3匹のムハンイワナが含まれていた
私も滝壺で、1匹ムハンを追加して・・・目的達成!!と言う所でしょうね(^^)b
「やはりそうか・・・」
珍しく終始ご機嫌だった店長が、滝壺の様子を見て渋い顔をしている・・・
「どうしたんですか?」
「去年に比べて、滝壺が随分小さくなっている・・・」
去年直撃した台風によって、今まで起きた事も無いほどの大きな崩落が起こり、土砂が流れ込んだらしい
滝までの流れにも、去年はもう少し深い場所が多かったそうだ
「近付いている台風は、結構ヤバイ大きさだ・・・また大きな崩落が起きたら産卵床になりそうな淵が埋まってしまうかもしれない」
それだけではない、押し流されて下の段に落ちたら・・・温泉水で死んでしまうだろう・・・
「今年が最後かも知れないと言うのは、そう言う事だったんですね」
「あぁ、それこそ何千年もこの場所で生きてきたのにな・・・たったココ数年の温暖化の影響で・・・まさにあと数日で滅びてしまうかもしれないんだ・・・」
店長は悔しそうに言った、いくら怪しい術をいくつも使えるといっても台風の進路を変えたり、まして温暖化を何とかできる訳ではない・・・一人の人間の力など、自然の猛威の前には・・・本当に無力だ!
いや!手はある!!
「店長!ニンフを沈めればこの滝壺周辺で20匹やそこらは釣れるでしょ?私が滝の上に行きますから、この給水バックに入れて上に持ち上げましょうよ!!」
「要は『移しイワナ』をすると言うのか?」
「ええ、そうです!本当はムハンだけを選別したいところですが、そんな数は釣れないでしょうし、時間もないです・・・でもココのイワナのほとんどにムハンの遺伝子が継承されているなら、同じ確率で上流部で繁殖してくれますよ!」
移しイワナを100%肯定するつもりはないけれど、ココのムハンイワナの希少性を考えれば止むを得ないだろう・・・
本当ならば下流部に放流した方が、生態系への影響は少ないだろうが、圧倒的多数の「普通イワナ」の遺伝子に埋没してしまい出現頻度が激減することは目に見えている
仮にある程度の確率を維持できたとしても、6段目より下流にムハンが出現し、その事が話題になれば、今度は釣獲圧の被害を受ける事になる・・・やはり上流に放すのがベストとしか思えない
「そんなことは判っているんだ・・・俺がその程度の事を考えなかったと思うか?」
「・・・何かあるんですか?確かに店長は移しイワナ否定派なのは知っていますが、疑う余地のないこの沢の『ネイティブ』なんですよ?」
店長は深くため息をつき、バックの中からデジタルカメラを取り出した
「この写真を見ろ」
写真には1匹のカワゲラが写っていた
「店長・・・これは?」
「この沢の上流部にのみ生息する固有種のカワゲラだ・・・」
カワゲラ・・・?
店長が真の魚留の滝を探索中に見つけた小さなカワゲラ・・・流石に水生昆虫にも詳しかったため、自分の記憶にない姿形のカワゲラである事に気付き、然るべき場所で遺伝子の調査を行ってもらったそうだ
そして新種のカワゲラである可能性が極めて高い事が判明したのは、つい先日の事だった
勿論、正式に新種とされるには色々と複雑な手続きもあるようだが、少なくともこの沢で独自の進化を遂げた貴重な昆虫であることは間違いない
「判るか?3段目の滝より上流の水中においては、このカワゲラが生態系の頂点にいる・・・頂点にいるからこその進化を遂げて、生態を持ち、繁殖をしているはずだ!そこにカワゲラの天敵であるイワナを放流したらどうなる?有史以来魚に喰われたことのないカワゲラに、自分の身を守る術があると思うか?」
「フライフィッシャーは、釣人である前に自然の守護者であれ」
店長が常々自戒の意味も込めて言う台詞だ
「この沢のムハンイワナを守りたい、その気持は俺だって同じだ・・・だが・・・だが、そのために上流部の生態系を崩すことは出来ない!やってはならないんだ!!」
そうだ・・・その通りだ、仮にこの沢のムハンイワナがどれ程貴重であったとしても、保護のために別の生き物、別の場所の生態系を崩して良い理由にはならない、神ならぬ我々人間が生き物に貴賎の区別をしてはいけないのだ・・・それが例えちっぽけな虫1匹だったとしても
「俺は、貴重なのはムハンイワナではなくて、この沢のこの区間そのものだと思うんだ、外界から完全に隔絶された奇跡のようなイワナの聖域なんだよココは!
人間の愚かしさが異常気象を招いて、巨大台風でこの場所が破壊されてしますなら・・・ここのムハンイワナも共に滅びるのが相応しいんだと思うよ・・・まぁ暴論だがな」
店長の手によって、すでに然るべき研究施設にこの沢のムハンイワナと普通イワナを数匹、研究用のサンプルとして保管されているようだから
将来生物学が進歩すれば、その魚のクローンを作り出して、この沢に再び放つ事も可能かもしれない
遺伝子的にはまさにこの川のネイティブと全く同じはずだが・・・果たしてその魚をネイティブと読んで良いのだろうか?
こうして少々後味の悪い気持ちを残して、今回の釣行は終わりを告げた・・・
もうすぐやってくる巨大台風の後、この沢にイワナが残っているのかは、来年また確かめに来なくてはならない
「イワナは両生類だ!」誰かが言っていた、イワナのとてつもない生命力を表すこの言葉を、今はただひたすら信じたい
このやり切れない気持ちを抱えていたせいなのか、帰りの滝からのジャンプもまるで単純作業のように淡々と飛び込んだ、飛び込むのが怖い云々言っているヒマがあったら、ムハンイワナ達の無事を祈っていたかったのだった
Kawatombo Ken
PS.
・・・
・・・
・・・
「オイ!」
「なんですか?」
帰りの車の中で、店長が突如沈黙を破った、隠れ滝を後にして以降全く口を開かなかったのに
「俺は・・・ムハンイワナ以上に、お前の無事を祈っているぞ・・・また釣りに行けると良いな・・・」
ドクン!!
急に心臓が苦しくなってきた、忘れていた・・・いや思い出さないようにしてきた・・・大変な事になっているだろうあの事を
ピリリリリ・・・
携帯の電波の届く位置に入ったのだろう、圏外に居る間に送られてきたメールや留守電が、一気に入ってきた・・・
「オイ、その辺に停めろ・・・運転を変わってやるから・・・まぁ取りあえずメール見て・・・電話してみたらどうだ?」
珍しく「優しい」店長のお言葉に甘えて、路肩に停めて助手席に座る・・・
震える手で携帯を開く・・・
『メール10件、留守電2件』
思っていたより遥かに少ない・・・少なかったら少なかったで、その理由を考えると、恐ろしくて内容を確認する事が出来ない
「どうした、見ないのか?」
「はぁ・・・心の準備が・・・気にしないでください」
「そうか・・・」
店長も罪悪感があるんだろうか、必要以上のことには触れず、どこかへメールを送り始めた「奥さんへの帰るメール」だろうか・・・
気軽にそんな事が出来る店長が羨ましい
メールを見ることも、留守電を聞く事も出来ずに、ただ画面を見つめて固まっていると
プルプルプルプル・・・
電話が鳴った!嫁からだ!!ヤバイ、何の心構えも出来ていない、しかし出ない訳にも行かない・・・運転している事にして一時回避するか!?
「出ろ!出ないと、もっとヤバイぞ!!」
「は、はい!」
確かにその通りだ、何にせよまず謝らないと
・・・
「も、もしもし・・・」
「・・・」
「あ、あのさ、その・・・」
「釣れたぁ~♪」
普通に明るい、いつもの声・・・それがまた更に恐怖を倍増させる
「え?あ、あぁ、まぁまぁだけど・・・」
「そう、良かったね、久しぶりの釣りだもんね!」
「ご、ごめん・・・だから、店長とさ急に誘われちゃって、今じゃなきゃダメだからってさ」
自分でも何言っているんだか判らない、どうしたんだ?
いつもならストレートに怒って来るのに・・・心理戦か!?
「今、どこに居るか判る?」
「は?・・・実家でしょうか?」
「何言ってんの、温泉よ温泉♪」
私へのあて付けに旅行に行ったと言う事なんだろうか?
「で、誰と一緒にいるか判る?」
「え・・・まさか、私の知らない人とか?」
「さぁ~どうかなぁ~」
まさか浮気をしたと言うのか!?
「ぷ!くくく・・・ハハッハハハハハ・・・、もう許してやってくれよ!深刻な振りをするのも限界だ」
突然店長が笑い出した・・・なんだ??
「今ねぇ、店長さんの奥さんと、温泉に来ているの!」
「え?は、はぁ・・・どう言う事?」
「早い話が、ドッキリだ!いくら俺でも新婚早々のお前に、そこまで酷い事はしないさ」
「まさか、本当に私に黙って釣りに行っちゃうとは思わなかったけどね!」
「はぁ・・・」
まだ話が掴めない
要約するとこう言う事らしい
店長の奥さん(この話にはまだ登場していないが、家族ぐるみの付き合いがある)が福引で2泊3日のペア温泉旅行を引き当てた
最初は、私と店長は釣り、奥さんと嫁は温泉に行こうと話がまとまったのだが(私抜きの3者で)、3人のうちの誰かが「悪巧み」を思いついたらしい・・・
奥さんと嫁は「予定通り」金曜日から温泉三昧をしていた言う訳だ、罪悪感に押し潰されそうな私を尻目に・・・
「ま、そう言う事だ!休みはまだ1日ある、二人の居る温泉に行くぞ!」
「はぁ・・・」
まだ良く事態を飲み込めていない私は、急激に通り過ぎた「人生最大のピンチ」と「最悪のドッキリ」に半ば放心状態だった
「ムハンイワナの危機も・・・ドッキリなんですよね」
「・・・いや、そっちは本当の事だ」
「そうですか・・・言ってしまえば、私のピンチなんて、実は大したことじゃないんですよね」
「そうか?」
「奴ら、来年にも会えますよね?」
「・・・」
店長は何も答えなかった
終わり
Posted by Kawatombo Ken at 22:32│Comments(19)
│特殊斑紋への挑戦
この記事へのコメント
こんばんわ
良かったね
離婚の危機から一転
ドッキリで落とすとは・・・
感服仕った!
良かったね
離婚の危機から一転
ドッキリで落とすとは・・・
感服仕った!
Posted by SAGE愛好会 at 2009年11月04日 00:03
おはようございます。
数々の困難(?)を乗り越えてのムハンイワナとの「ご対面」、
感動的だったのでしょうね。
奥さまの協力を得て、ライフワークとしての希少種との出会いが
まだまだ続くと良いですね。
> フライフィッシャーは、釣人である前に自然の守護者であれ
この言葉、深いです。
数々の困難(?)を乗り越えてのムハンイワナとの「ご対面」、
感動的だったのでしょうね。
奥さまの協力を得て、ライフワークとしての希少種との出会いが
まだまだ続くと良いですね。
> フライフィッシャーは、釣人である前に自然の守護者であれ
この言葉、深いです。
Posted by jbopper at 2009年11月04日 09:35
こんにちは
ん~相変わらずのドキドキ展開!
引き込まれます、
奥様も出来てますね~(^-^)
では 又。
ん~相変わらずのドキドキ展開!
引き込まれます、
奥様も出来てますね~(^-^)
では 又。
Posted by typoe r tata at 2009年11月04日 11:58
こんばんは、
なかなかに面白いオチですね、
ムハンイワナだけはハッピーエンドではなかったですが、
現実のムハンイワナも放流魚の進出によって絶滅の危機にさらされていますので、来年も釣れるのかと言われると、
「・・・」ですね。
なかなかに面白いオチですね、
ムハンイワナだけはハッピーエンドではなかったですが、
現実のムハンイワナも放流魚の進出によって絶滅の危機にさらされていますので、来年も釣れるのかと言われると、
「・・・」ですね。
Posted by CREEK WALKERS at 2009年11月04日 19:40
さすがですね、良い感じでまとまってます!ドキドキもさせてもらいました。でノンフィクションは何パーセント程ですか?
Posted by むつみ屋 at 2009年11月04日 21:36
こんばんは。
>「フライフィッシャーは、釣人である前に自然の守護者であれ」
魚の事しか考えてないフライマンですが何か(大汗
ムハンイワナにしてもヤマトイワナなんかにしても、対象魚の事を考えると移しイワナってのが普通の考え方だとは思いますが、他の動植物にしてみればそれが絶滅の原因になる事もあり得るんですねぇ。
同じ水系でさえ移植には細心の注意が必要って事ですね。
>「フライフィッシャーは、釣人である前に自然の守護者であれ」
魚の事しか考えてないフライマンですが何か(大汗
ムハンイワナにしてもヤマトイワナなんかにしても、対象魚の事を考えると移しイワナってのが普通の考え方だとは思いますが、他の動植物にしてみればそれが絶滅の原因になる事もあり得るんですねぇ。
同じ水系でさえ移植には細心の注意が必要って事ですね。
Posted by みかん at 2009年11月05日 00:08
店長とのやり取りが最高に良いですね〜
私もあんな先輩や釣り仲間が欲しいですね
私もあんな先輩や釣り仲間が欲しいですね

Posted by ひで at 2009年11月08日 09:44
はじめまして
いつも楽しく拝見させていただいてます
大分でフライを楽しんでるヒロといいます
この話も前編を読んだときに早く続きが見たいと待ち構えてましたが、Kenさんの周りの方もそうですが、心にしみる言葉をありがとうございます。
九州には元々イワナは生息してませんが、最近では釣れる河川がちらほらとあります。
時々僕も出かけますが,釣れる数もですが場所も多くありません。
放流はしたいのですが、Kenさんの話を見ていると、もしかすると悪いのか?と考えさせられます。
ある種私利私欲のための放流なのでは?と思ってしまいます、
せっかく自然と親しむ釣りをしてるのですから、もっと自然に目を向けフライを楽しみたいです、やはり今居るイワナたちを守り自然を守り、イワナが釣りたいときは出向くぐらいの気持ちでないとダメですね
これからもロム専かも知れませんがよろしくお願します
いつも楽しく拝見させていただいてます
大分でフライを楽しんでるヒロといいます
この話も前編を読んだときに早く続きが見たいと待ち構えてましたが、Kenさんの周りの方もそうですが、心にしみる言葉をありがとうございます。
九州には元々イワナは生息してませんが、最近では釣れる河川がちらほらとあります。
時々僕も出かけますが,釣れる数もですが場所も多くありません。
放流はしたいのですが、Kenさんの話を見ていると、もしかすると悪いのか?と考えさせられます。
ある種私利私欲のための放流なのでは?と思ってしまいます、
せっかく自然と親しむ釣りをしてるのですから、もっと自然に目を向けフライを楽しみたいです、やはり今居るイワナたちを守り自然を守り、イワナが釣りたいときは出向くぐらいの気持ちでないとダメですね
これからもロム専かも知れませんがよろしくお願します
Posted by ヒロ at 2009年11月09日 22:02
なにかとお忙しいことと思われますが
本年もよろしくお願いいたします
本年もよろしくお願いいたします
Posted by こるとれーんtone at 2010年01月01日 16:41
皆さん、長い間コメントを放置してしまい
大変失礼致しましたm(__)m
今後はもう少しマメに更新&返信するように致しますので
どうかお見捨てなきよう、よろしくお願いします
大変失礼致しましたm(__)m
今後はもう少しマメに更新&返信するように致しますので
どうかお見捨てなきよう、よろしくお願いします
Posted by Kawatombo Ken
at 2010年01月30日 13:31

SAGE愛好会さん
フィクションとは言え、マジピンチの話は書けないよ!(笑)
たまにはドッキリ落ちもね♪
フィクションとは言え、マジピンチの話は書けないよ!(笑)
たまにはドッキリ落ちもね♪
Posted by Kawatombo Ken
at 2010年01月30日 13:50

jbopperさん、ご無沙汰です
なかなか思うようにライフワークが出来なくなったのが悩みの種ですが・・・(笑)
志だけは続けたい物ですね!
なかなか思うようにライフワークが出来なくなったのが悩みの種ですが・・・(笑)
志だけは続けたい物ですね!
Posted by Kawatombo Ken
at 2010年01月30日 13:52

tataさん、ご無沙汰です!
現実の奥さんも、これくらい物分りが良いとうれしいんですが・・・(汗)
tataさんを見習いたい物です(^^)b
現実の奥さんも、これくらい物分りが良いとうれしいんですが・・・(汗)
tataさんを見習いたい物です(^^)b
Posted by Kawatombo Ken
at 2010年01月30日 13:57

CREEK WALKERSさん、ご無沙汰です!
現実釣行では、お世話になりました!!(今更ですが・・・ww)
今年は、また別の種を求めて旅に出る計画を立てています♪
この沢で、もう一度くらい釣りをしたいですが・・・
釣らない方がいいのかも?と言う気持ちも有りますね・・・
現実釣行では、お世話になりました!!(今更ですが・・・ww)
今年は、また別の種を求めて旅に出る計画を立てています♪
この沢で、もう一度くらい釣りをしたいですが・・・
釣らない方がいいのかも?と言う気持ちも有りますね・・・
Posted by Kawatombo Ken
at 2010年01月30日 14:00

むつみ屋さん、ご無沙汰です!
ムハンイワナを釣った!と言う事実と写真以外、全てフィクションです
後敢えて言えば、嫁さんの説得できるかどうか・・・葛藤があったことくらいですね(笑)
ムハンイワナを釣った!と言う事実と写真以外、全てフィクションです
後敢えて言えば、嫁さんの説得できるかどうか・・・葛藤があったことくらいですね(笑)
Posted by Kawatombo Ken
at 2010年01月30日 14:02

みかんさん、ご無沙汰です!
某河川でポイントを探索中
「ここはカワシンジュガイの南限の生息地です、川の中を歩かないでください」
って看板を見かけた事がきっかけですね・・・
魚以外にも川周辺にすむ貴重な生物は多いんですよね!
某河川でポイントを探索中
「ここはカワシンジュガイの南限の生息地です、川の中を歩かないでください」
って看板を見かけた事がきっかけですね・・・
魚以外にも川周辺にすむ貴重な生物は多いんですよね!
Posted by Kawatombo Ken
at 2010年01月30日 14:15

ひでさん、ご無沙汰です!
私が仲間と釣りに行く時は、大体こんな感じですよ(笑)
遠慮なく物が言い合える釣り仲間との釣行は実に楽しいですよね♪
私が仲間と釣りに行く時は、大体こんな感じですよ(笑)
遠慮なく物が言い合える釣り仲間との釣行は実に楽しいですよね♪
Posted by Kawatombo Ken
at 2010年01月30日 14:17

ヒロさん、はじめまして!
放流の件は・・・難しいですね・・・
釣り人として気持ちは理解できますし、北海道のワイルドトラウト達にも憧れていますし・・・
新たな場所には放流しない
それ以外は現状維持
釣り人としては、それが現実的だと思いますね・・・
今後もこう言った話題は多くアップされるでしょうから、ぜひ御意見くださいね
放流の件は・・・難しいですね・・・
釣り人として気持ちは理解できますし、北海道のワイルドトラウト達にも憧れていますし・・・
新たな場所には放流しない
それ以外は現状維持
釣り人としては、それが現実的だと思いますね・・・
今後もこう言った話題は多くアップされるでしょうから、ぜひ御意見くださいね
Posted by Kawatombo Ken
at 2010年01月30日 14:23

こるとさん、ご無沙汰です
今年もよろしくお願いしますm(__)m
後日アップしますが
北海道旅行、お蔭様で楽しんできました
釣りのできるシーズンを外したのは、本当に痛恨でしたね・・・(;^^A
今年もよろしくお願いしますm(__)m
後日アップしますが
北海道旅行、お蔭様で楽しんできました
釣りのできるシーズンを外したのは、本当に痛恨でしたね・・・(;^^A
Posted by Kawatombo Ken
at 2010年01月30日 14:24

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