2010年09月19日
特殊斑紋魚の考察「遺伝子編」
皆さんご無沙汰しておりますm(__)m
夏バテに加えて、仕事も忙しく、釣行・ブログ・クラフト・・・全てが停滞しております(;^^A
そんな時でも頭の中は魚のことで一杯です♪
ココ数ヶ月、頭の中で考察していた事をまとめてみようと思います(^^)b
結構複雑な話ですが・・・
最近私が追い求めている「特殊斑紋魚」、その発生のメカニズムについて私なりに考察をしてみました。
いくつかの例外はあるのですが、一般的に「特殊斑紋」と呼ばれる魚は、遺伝子的に「劣勢」である場合が多いようです。

ナガレモンイワナについては詳しく知りませんが、ムハンイワナ・ムハンヤマメ・イワメ(ムハンアマゴ)は劣性遺伝であることが知られています。
カメクライワナも出現率から考えて、恐らく劣性遺伝ではないでしょうか?(未確認)
例外)
ニジマスのムハン型である「蓬莱マス」は、優勢遺伝であることが知られています。
また、オイカワさんやjbopperさんのブログで何度か紹介されている黒点の無いヤマメやアマゴには中間型も存在しているようです
ココまで考察に加えてしまうと頭が破裂しそうになるので、この記事では触れないでおきます(;^^A
(特殊斑紋型ではなく、キリクチやスギノコなどと同様の地方変異型に向かう途中経過なのでは無いか?と、私は考えていますが・・・)
夏バテに加えて、仕事も忙しく、釣行・ブログ・クラフト・・・全てが停滞しております(;^^A
そんな時でも頭の中は魚のことで一杯です♪
ココ数ヶ月、頭の中で考察していた事をまとめてみようと思います(^^)b
結構複雑な話ですが・・・
最近私が追い求めている「特殊斑紋魚」、その発生のメカニズムについて私なりに考察をしてみました。
いくつかの例外はあるのですが、一般的に「特殊斑紋」と呼ばれる魚は、遺伝子的に「劣勢」である場合が多いようです。

あぁ・・・早く自分で釣った写真をアップしたい・・・(笑)
ナガレモンイワナについては詳しく知りませんが、ムハンイワナ・ムハンヤマメ・イワメ(ムハンアマゴ)は劣性遺伝であることが知られています。
カメクライワナも出現率から考えて、恐らく劣性遺伝ではないでしょうか?(未確認)
例外)
ニジマスのムハン型である「蓬莱マス」は、優勢遺伝であることが知られています。
また、オイカワさんやjbopperさんのブログで何度か紹介されている黒点の無いヤマメやアマゴには中間型も存在しているようです
ココまで考察に加えてしまうと頭が破裂しそうになるので、この記事では触れないでおきます(;^^A
(特殊斑紋型ではなく、キリクチやスギノコなどと同様の地方変異型に向かう途中経過なのでは無いか?と、私は考えていますが・・・)
まずは遺伝について簡単に説明しておきましょう。
ムハンヤマメと普通(型)ヤマメを例にしましょう。
普通ヤマメの斑紋を作り出す遺伝子型を「AA」とし、ムハンヤマメを「aa」とします。
(一般的に劣性遺伝子を小文字で、優性遺伝子を大文字で表現します。)
何故「AA」と言う表現を使うのかと言うと、これはDNAの2重螺旋を表現したもので、遺伝子(染色体)は通常2本のDNAが合わさった形で作られています。
ただし卵子と精子だけは例外で、「AA」が一つずつに分かれて「A」と言う遺伝子型を持ち(減数分裂)、これを『配偶子』と言います。
普通ヤマメ(AA)♂ →配偶子:A(精子)
ムハンヤマメ(aa)♀ →配偶子:a(卵子)
この精子と卵子が受精すると、父親と母親から半分ずつ遺伝子を受け継いだ子供(稚魚)「Aa」が産まれてきます。

しかしこのAa型の遺伝子を持つ稚魚は、外形的には普通イワナで、斑紋が薄いなどムハンイワナの特徴は現れてきません。
そのような遺伝を「劣性遺伝」といいます。
判りやすく言うと、人間の血液型でA型とO型の両親からは、A型しか産まれない・・・と言う例があります。
A型(AA)+O型(OO)→A型(AO)
このような時「O型はA型に対して劣性である(A型はO型に対して優性である)」と言います。
ちなみに中間遺伝子とは、A型とB型のような関係で、両方の特徴を併せ持った中間型であるAB型を生み出します。
A型(AA)+B型(BB)→AB型(AB)
そしてAa型を持つ普通ヤマメ同士を交配させると
普通ヤマメ(Aa)♂ →配偶子:A、a
普通ヤマメ(Aa)♀ →配偶子:A、a


この表のように、完全な普通ヤマメ(AA):無斑遺伝子を隠し持つ普通ヤマメ(Aa):ムハンヤマメ=1:2:1 という割合になります。
実際はAA型とAa型の見分けは付かないので、普通ヤマメ:ムハンヤマメ=3:1 の割合と言う事になります。
とまぁココまではメンデルの遺伝の法則で、中学校の理科(詳しくは高校の生物だったか?)で習う内容です。
ココからが今回の本題です!
これを自然界で考えると、aaの遺伝子型のムハンヤマメがいきなり産まれてくるわけでは無いという事になります。
判りやすくいうと、ムハンヤマメは突然変異で生まれてきたものですが、最初の突然変異はその親世代(普通ヤマメの時)に起きていると言う事になります。

AA型の普通型のヤマメが、卵子(または精子)を作り出す際に、遺伝子のコピーに突然変異が起こり
斑紋を生み出す部分の遺伝子が、正常に働かない「a」と言う配偶子(無斑型の遺伝子)が出来てしまうことから始まります。
その遺伝子を受け継いだ子供は「Aa型」となり、この時点ではまだ普通型です。(しかし突然変異を起こした第1世代と言う事になります。)
ここで産まれた「Aa型」同士が近親交配をすることで、初めて「aa型」(ムハンヤマメ)が産まれてくることになります。
即ち、特殊斑紋魚は一般的に近親交配が起こりやすい閉鎖された生息域で、より発生しやすいと言えるでしょう。
そこで考えてみました。
日本各地に点在する特殊斑紋の生息地において、この特殊型が何故1/20とか、1/50とか一定の確率で保存され続けてきたのか?
その先祖はどのような状況で発生したのか?
平たく言えば、初めてムハンヤマメが生まれたときの生息割合(無斑型:普通型)はどの程度だったのか?
「AA型」や「Aa型」は、どの程度の確立で存在しているのか?
その辺りを、遺伝の法則と数学的手法で想像してみようというわけです。
計算の方法は単純で、先ほど挙げたムハンヤマメ第1世代
AA+Aa+Aa+aa(無斑遺伝子を持つもの同士から産まれた子供)
この3:1に加えて、完全な普通型(普通型同士の子供)がどれくらい居たのか?を仮定して、その場合ごとに2世代以降の比率を計算していく手法です。
1)普通型「0」
これはムハンヤマメの第一世代のみが、子孫を作り繁殖していった場合・・・と言うことになりますが
この場合は3:1の比率がそのまま受け継がれることになります
実際の生息地において、このような比率で特殊斑紋魚が現れてくる所は、私の知る限りではありません。
幻想川蜻蛉で出てきた「不動の連瀑」にあるムハンイワナの生息地は、このような場合を想定しました。
参照:幻想・川蜻蛉 番外編「隠れ滝の無斑岩魚」後編
2)普通型「4」
ムハンヤマメの第一世代と同数の普通ヤマメ(普通ヤマメ同士の子供)が存在している場合、と言う事になります。
この場合は、第二世代では

15:1の比率(1/16)でムハンヤマメが誕生し、以降はその比率が受け継がれる事になります。

試しに表を作ってみましたが、間違いなく第三世代以降は15:1で固定されるはずです。(あくまでも理論的には)
3)普通型「5」
キッチリした比率で表現しにくいですが、普通ヤマメ:ムハンヤマメ第一世代=5:4 と言う事です。

この場合、約5%(1/20)の確立でムハンヤマメが誕生し、これも同様に以降はこの比率が受け継がれています。
丁度ムハンヤマメの沢において言われている確立が5%(1/20)なので、まさにこの状態なのだと考えられます。(私的には1/80なんですが・・・)
Aa型の比率は約35%で、ムハンヤマメと合わせると・・・約40%のヤマメが無斑型の遺伝子を保有している。と言う結論になります。
4)普通型「10」
この場合に約2%(1/50)となります。

ムハンイワナの生息河川やカメクライワナの場合、約1/50の出現率と言われているので、この状態が当てはまると思われます。
2%と言うと極僅かのように感じられますが、特殊斑紋型の遺伝子を持つ個体は約25%となり、この集団の特異性が判ると思います。
これらの確立計算は、「無斑型と普通型の魚の間に優劣が無い」(・・・即ち無斑型が生存競争的に弱く、普通型と同等に繁殖に参加できない、などと言うことが起こらない。)と仮定した場合に成り立ちます。
もしも無斑型が弱い場合、割合はもう少し多くなるはずです。
ここで記載した 普通型「5」 と言う表現は、単に数学的な計算に必要な数値に過ぎませんが
その河川に始めてムハンヤマメが誕生したときの状態に、極めて近い比率を表しているとも言えます。
即ち
AA型同士の子供が5、に対してAa型同士の子供が4、と言う事です。(この時点ではAA型とAa型の子供の比率を無視しているので、正確ではありません)
更に初めて無斑型の突然変異遺伝子を持つ配偶子(精子または卵子)を生み出した、二世代前まで遡ると・・・
ペアの数でいえば2~4ペア、たったの4~8匹がこの集団全てのルーツと言う計算になります。
ここまでの考察を踏まえて、私なりの仮説を立ててみました。
特殊斑紋魚が生息している河川(恐らく一つの枝沢、または隔離された区間)では、過去に下のような事が起こったのではないだろうか?
1.極めて小規模な隔離された小集団(恐らく10匹程度)の中で、特殊斑紋魚は生まれてきた。
2.その小集団以外の個体は、何らかの事情で絶滅、または激減した。
3.特殊斑紋魚を含む小集団は生き残り、広がっていった。
これは想像ですが、氷河期が終わってヤマメやイワナが陸封される際に、生き残るか滅びるかその境界線ギリギリにいた集団の中で特殊斑紋は生まれたのではないでしょうか?
過去に訪れた事のある特殊斑紋魚の生息域は、非常に小規模な沢が多かったですし、少なからず当てはまるのでは無いかと思います。
何より特殊斑紋型が集団の中で言って以上の割合を持っていると言う事は、普通型の集団が激減すると言うプロセス(もしくは激減した集団の中で特殊斑紋型が発生したか・・・)が無い限りチョット考えにくいですよね?
日本全国にあれだけ川(支流を含む)があっても、特殊斑紋が棲息しているのはほんの数河川しかない理由は、これなのではないでしょうか!!
(ちなみに地方変異型は、外部から遮断されてからの年数が充分であれば、ある程度の個体数を持つ規模の大きな集団でも起こり得ます。)
外界から隔離された小規模な沢に、ひっそりと生きる特殊斑紋魚・・・
しかし彼らは日本の国土の成り立ち、地殻変動の歴史、氷河期の時代などを雄弁に語ってくれます。
独自の進化を遂げた生物が棲む隔離された場所・・・
そう、それはガラパゴス諸島やギアナ高地と同じ性格を持った場所なんです。
言うならば、私にとって特殊斑紋魚との出会いは
ダーウィンが、島によって嘴の形の異なるフィンチや、甲羅の形の異なるゾウガメを見つけた時と同じ興奮を味わっているのだ!!!(少々大げさか?ww)
PS.
今シーズン最後の〆に、特殊斑紋を狙いに遠征してきます(^^)b
何を狙うのかって?
それは帰ってきてからのお楽しみと言う事で♪
Kawatombo Ken
ムハンヤマメと普通(型)ヤマメを例にしましょう。
普通ヤマメの斑紋を作り出す遺伝子型を「AA」とし、ムハンヤマメを「aa」とします。
(一般的に劣性遺伝子を小文字で、優性遺伝子を大文字で表現します。)
何故「AA」と言う表現を使うのかと言うと、これはDNAの2重螺旋を表現したもので、遺伝子(染色体)は通常2本のDNAが合わさった形で作られています。
ただし卵子と精子だけは例外で、「AA」が一つずつに分かれて「A」と言う遺伝子型を持ち(減数分裂)、これを『配偶子』と言います。
普通ヤマメ(AA)♂ →配偶子:A(精子)
ムハンヤマメ(aa)♀ →配偶子:a(卵子)
この精子と卵子が受精すると、父親と母親から半分ずつ遺伝子を受け継いだ子供(稚魚)「Aa」が産まれてきます。
しかしこのAa型の遺伝子を持つ稚魚は、外形的には普通イワナで、斑紋が薄いなどムハンイワナの特徴は現れてきません。
そのような遺伝を「劣性遺伝」といいます。
判りやすく言うと、人間の血液型でA型とO型の両親からは、A型しか産まれない・・・と言う例があります。
A型(AA)+O型(OO)→A型(AO)
このような時「O型はA型に対して劣性である(A型はO型に対して優性である)」と言います。
ちなみに中間遺伝子とは、A型とB型のような関係で、両方の特徴を併せ持った中間型であるAB型を生み出します。
A型(AA)+B型(BB)→AB型(AB)
そしてAa型を持つ普通ヤマメ同士を交配させると
普通ヤマメ(Aa)♂ →配偶子:A、a
普通ヤマメ(Aa)♀ →配偶子:A、a
クリックで拡大します
この表のように、完全な普通ヤマメ(AA):無斑遺伝子を隠し持つ普通ヤマメ(Aa):ムハンヤマメ=1:2:1 という割合になります。
実際はAA型とAa型の見分けは付かないので、普通ヤマメ:ムハンヤマメ=3:1 の割合と言う事になります。
とまぁココまではメンデルの遺伝の法則で、中学校の理科(詳しくは高校の生物だったか?)で習う内容です。
ココからが今回の本題です!
これを自然界で考えると、aaの遺伝子型のムハンヤマメがいきなり産まれてくるわけでは無いという事になります。
判りやすくいうと、ムハンヤマメは突然変異で生まれてきたものですが、最初の突然変異はその親世代(普通ヤマメの時)に起きていると言う事になります。
AA型の普通型のヤマメが、卵子(または精子)を作り出す際に、遺伝子のコピーに突然変異が起こり
斑紋を生み出す部分の遺伝子が、正常に働かない「a」と言う配偶子(無斑型の遺伝子)が出来てしまうことから始まります。
その遺伝子を受け継いだ子供は「Aa型」となり、この時点ではまだ普通型です。(しかし突然変異を起こした第1世代と言う事になります。)
ここで産まれた「Aa型」同士が近親交配をすることで、初めて「aa型」(ムハンヤマメ)が産まれてくることになります。
即ち、特殊斑紋魚は一般的に近親交配が起こりやすい閉鎖された生息域で、より発生しやすいと言えるでしょう。
そこで考えてみました。
日本各地に点在する特殊斑紋の生息地において、この特殊型が何故1/20とか、1/50とか一定の確率で保存され続けてきたのか?
その先祖はどのような状況で発生したのか?
平たく言えば、初めてムハンヤマメが生まれたときの生息割合(無斑型:普通型)はどの程度だったのか?
「AA型」や「Aa型」は、どの程度の確立で存在しているのか?
その辺りを、遺伝の法則と数学的手法で想像してみようというわけです。
計算の方法は単純で、先ほど挙げたムハンヤマメ第1世代
AA+Aa+Aa+aa(無斑遺伝子を持つもの同士から産まれた子供)
この3:1に加えて、完全な普通型(普通型同士の子供)がどれくらい居たのか?を仮定して、その場合ごとに2世代以降の比率を計算していく手法です。
1)普通型「0」
これはムハンヤマメの第一世代のみが、子孫を作り繁殖していった場合・・・と言うことになりますが
この場合は3:1の比率がそのまま受け継がれることになります
実際の生息地において、このような比率で特殊斑紋魚が現れてくる所は、私の知る限りではありません。
幻想川蜻蛉で出てきた「不動の連瀑」にあるムハンイワナの生息地は、このような場合を想定しました。
参照:幻想・川蜻蛉 番外編「隠れ滝の無斑岩魚」後編
2)普通型「4」
ムハンヤマメの第一世代と同数の普通ヤマメ(普通ヤマメ同士の子供)が存在している場合、と言う事になります。
この場合は、第二世代では
クリックで拡大します
15:1の比率(1/16)でムハンヤマメが誕生し、以降はその比率が受け継がれる事になります。
クリックで拡大します
試しに表を作ってみましたが、間違いなく第三世代以降は15:1で固定されるはずです。(あくまでも理論的には)
3)普通型「5」
キッチリした比率で表現しにくいですが、普通ヤマメ:ムハンヤマメ第一世代=5:4 と言う事です。
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この場合、約5%(1/20)の確立でムハンヤマメが誕生し、これも同様に以降はこの比率が受け継がれています。
丁度ムハンヤマメの沢において言われている確立が5%(1/20)なので、まさにこの状態なのだと考えられます。(私的には1/80なんですが・・・)
Aa型の比率は約35%で、ムハンヤマメと合わせると・・・約40%のヤマメが無斑型の遺伝子を保有している。と言う結論になります。
4)普通型「10」
この場合に約2%(1/50)となります。
クリックで拡大します
ムハンイワナの生息河川やカメクライワナの場合、約1/50の出現率と言われているので、この状態が当てはまると思われます。
2%と言うと極僅かのように感じられますが、特殊斑紋型の遺伝子を持つ個体は約25%となり、この集団の特異性が判ると思います。
これらの確立計算は、「無斑型と普通型の魚の間に優劣が無い」(・・・即ち無斑型が生存競争的に弱く、普通型と同等に繁殖に参加できない、などと言うことが起こらない。)と仮定した場合に成り立ちます。
もしも無斑型が弱い場合、割合はもう少し多くなるはずです。
ここで記載した 普通型「5」 と言う表現は、単に数学的な計算に必要な数値に過ぎませんが
その河川に始めてムハンヤマメが誕生したときの状態に、極めて近い比率を表しているとも言えます。
即ち
AA型同士の子供が5、に対してAa型同士の子供が4、と言う事です。(この時点ではAA型とAa型の子供の比率を無視しているので、正確ではありません)
更に初めて無斑型の突然変異遺伝子を持つ配偶子(精子または卵子)を生み出した、二世代前まで遡ると・・・
ペアの数でいえば2~4ペア、たったの4~8匹がこの集団全てのルーツと言う計算になります。
ここまでの考察を踏まえて、私なりの仮説を立ててみました。
特殊斑紋魚が生息している河川(恐らく一つの枝沢、または隔離された区間)では、過去に下のような事が起こったのではないだろうか?
1.極めて小規模な隔離された小集団(恐らく10匹程度)の中で、特殊斑紋魚は生まれてきた。
2.その小集団以外の個体は、何らかの事情で絶滅、または激減した。
3.特殊斑紋魚を含む小集団は生き残り、広がっていった。
これは想像ですが、氷河期が終わってヤマメやイワナが陸封される際に、生き残るか滅びるかその境界線ギリギリにいた集団の中で特殊斑紋は生まれたのではないでしょうか?
過去に訪れた事のある特殊斑紋魚の生息域は、非常に小規模な沢が多かったですし、少なからず当てはまるのでは無いかと思います。
何より特殊斑紋型が集団の中で言って以上の割合を持っていると言う事は、普通型の集団が激減すると言うプロセス(もしくは激減した集団の中で特殊斑紋型が発生したか・・・)が無い限りチョット考えにくいですよね?
日本全国にあれだけ川(支流を含む)があっても、特殊斑紋が棲息しているのはほんの数河川しかない理由は、これなのではないでしょうか!!
(ちなみに地方変異型は、外部から遮断されてからの年数が充分であれば、ある程度の個体数を持つ規模の大きな集団でも起こり得ます。)
外界から隔離された小規模な沢に、ひっそりと生きる特殊斑紋魚・・・
しかし彼らは日本の国土の成り立ち、地殻変動の歴史、氷河期の時代などを雄弁に語ってくれます。
独自の進化を遂げた生物が棲む隔離された場所・・・
そう、それはガラパゴス諸島やギアナ高地と同じ性格を持った場所なんです。
言うならば、私にとって特殊斑紋魚との出会いは
ダーウィンが、島によって嘴の形の異なるフィンチや、甲羅の形の異なるゾウガメを見つけた時と同じ興奮を味わっているのだ!!!(少々大げさか?ww)
PS.
今シーズン最後の〆に、特殊斑紋を狙いに遠征してきます(^^)b
何を狙うのかって?
それは帰ってきてからのお楽しみと言う事で♪
Kawatombo Ken
Posted by Kawatombo Ken at 22:18│Comments(4)
│特殊斑紋への挑戦
この記事へのコメント
こんにちは、
実際にもこんな出現メカニズムなんでしょうね、
だからこそ中途半端なやつは存在しない、
(私的には1/80なんですが・・・)
に、爆笑してしまいました、
アハハハハハハハ!
なぜ1/80になるのか、原因を調査願います。(笑)
実際にもこんな出現メカニズムなんでしょうね、
だからこそ中途半端なやつは存在しない、
(私的には1/80なんですが・・・)
に、爆笑してしまいました、
アハハハハハハハ!
なぜ1/80になるのか、原因を調査願います。(笑)
Posted by CREEK WALKERS at 2010年09月20日 09:25
こんばんわ
私が行ってる川の特殊斑紋アマゴは2005年頃の調査では
「絶滅した可能性有り」と判断されてますが私はその後に
釣ってます、一時的にAaばかりの状況になった後またaaが
復活したかも?もしくは最終調査以前に移動したのかも?
ミステリーですねぇ。
私が行ってる川の特殊斑紋アマゴは2005年頃の調査では
「絶滅した可能性有り」と判断されてますが私はその後に
釣ってます、一時的にAaばかりの状況になった後またaaが
復活したかも?もしくは最終調査以前に移動したのかも?
ミステリーですねぇ。
Posted by おいかわ at 2010年09月20日 21:55
こんばんは。
研究熱心ですね~。
誰の影響でしょうか(笑
>(私的には1/80なんですが・・・)
来年は少しでも1/20に近付けるように頑張ってくださいね(煽
研究熱心ですね~。
誰の影響でしょうか(笑
>(私的には1/80なんですが・・・)
来年は少しでも1/20に近付けるように頑張ってくださいね(煽
Posted by みかん
at 2010年10月06日 00:00

Kawatombo Kenさま
始めましてmckeeと申します。
ヤマトイワナについて検索をしていた所、貴兄のブログへたどり着きました。その後も拝見させて頂きましたが、この度の「特殊斑紋魚」は大変興味深く拝見させ頂き、また参考になりました。
可能で有りましたら、ブログをリンクして頂き、情報交換をさせ頂ければ幸いです。
始めましてmckeeと申します。
ヤマトイワナについて検索をしていた所、貴兄のブログへたどり着きました。その後も拝見させて頂きましたが、この度の「特殊斑紋魚」は大変興味深く拝見させ頂き、また参考になりました。
可能で有りましたら、ブログをリンクして頂き、情報交換をさせ頂ければ幸いです。
Posted by mckee at 2010年10月25日 20:03
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。